今日ダービ!“紅一点”牝馬の挑戦サトノレイナスは14年ぶりの快挙を成し遂げることができるのか?
肝心の仕上がりも悪くない。26日、美浦ウッドチップコースでパートナーを追い駆け、ゴールできっちり馬体を併せた。手綱を取ったルメール騎手は「すごく手応えが良かった。マイルでは少しスピード不足なので2400メートルになるのはいい。大きな挑戦だが、勝つ自信はある」と結んだ。 そのルメール騎手は今回のメンバーでは皐月賞4着のアドマイヤハダル、京成杯を勝ったグラティアス、毎日杯2着のグレートマジシャンの手綱も取っており、最終的にサトノレイナスを選んだ形だ。それだけ、この馬の能力を買っている証拠だろう。 一方で不安材料もある。オークスと違い、底力も問われるのが日本ダービー。上がり勝負だけでは届かない。Cコースに替わることで近年は内枠有利の傾向が強まっており、8枠16番スタートも微妙だ。馬込みでプレッシャーを受ける危険性はなくなったが、外々を回るようだと自慢の切れ味がそがれるかもしれない。しかも、個人的な見解としてウオッカが勝ったときよりも牡馬の層が厚い。そして、最有力候補のエフフォーリアが立ちはだかる。 エフフォーリアの皐月賞での3馬身差をつけての勝利は、無敗2冠が約束されたような“強さ”だった。毎日杯から余裕のあるローテーションで臨むシャフリヤールも強敵だろう。 藤原英昭調教師は「ここが目標。エフフォーリアは強いが、共同通信杯でつけられた差は詰められる」と豪語。今回コンビを組む福永祐一騎手が3年前、ワグネリアンで制した際、2着に敗れたのは自身の管理馬であるエポカドーロだったこともあり「ユーイチには、これまでいっぱい貸しがあるので返してもらわなアカン」と愛情たっぷりの激辛ジョークを飛ばして好結果を期待した。 福永騎手と同期の和田竜二騎手が素質にほれ込み、デビュー時から乗り続けているワンダフルタウンも打倒エフフォーリアを狙う1頭。エフフォーリアがスターホースロードを駆けあがるのか、それとも2020年の競馬界を席巻した同厩舎の女傑アーモンドアイの流れをくむサトノレイナスが14年ぶりに歴史に名を残すのか? レース当日は、発走時間帯に天気が崩れるとの予想である。