今日ダービ!“紅一点”牝馬の挑戦サトノレイナスは14年ぶりの快挙を成し遂げることができるのか?
温故知新ということで偉業を達成した当時のキーマンに聞いてみる。まずウオッカに騎乗していた四位洋文現調教師は翌2008年にはディープスカイで連覇を達成しており「ダービーは喉から手が出るほど、ほしいタイトル。勝つことで見える景色がある」と話し、牝馬の挑戦にエールを送った。 「サトノレイナスの参戦には驚かないし、いいチャレンジだと思います。勝つためには当然、能力が必要。ただ、大勢の牡馬の中に牝馬1頭だけだと気後れしてナーバスになる面がある。ウオッカのときもパドックや返し馬ではいつも以上に丁寧にコンタクトを取り、馬を落ち着かせようとした。まぁ、そのあたりはアーモンドアイで戦ってきたコンビだし、あの国枝先生がダービーに向かうと決めたんだから勝つ可能性はあるんじゃないですか。2キロの斤量差もあるからね」 当時、ウオッカは入厩したときから「角居厩舎にヤバい牝馬がいる」と評判になるほどだった。 今年2月に勇退し、現在は故郷の石川県に戻り輪島市でホースセラピー事業などに力を入れている角居勝彦元調教師も「まだまだ落ち着きません」と近況を報告。昨今の牝馬優位のトレンドに「育成、調教システムなどが整い、牡馬と牝馬の差がなくなってきており、そこにセックスアローワンス(性別による負担重量)の2キロ差がある」と話し、牝馬の日本ダービー挑戦には「軽くて切れる脚が使える馬は東京コースで結果を出せる。その点で牝馬にもチャンスがあります」と答えてくれた。 サトノレイナスは、阪神コースでのパフォーマンスが強烈なため、「阪神専用馬では?」と思えなくもないが、東京コースでは1戦1勝。輸送距離の短いホームで戦える利点もある。血統面でも父ディープインパクトは過去9年で6頭の勝ち馬を出し、現在3連勝中。全兄のサトノフラッグは昨年の弥生賞の勝ち馬で日本ダービーでは11着だったが、菊花賞では3着に入っており、距離に対応できる下地はある。 馬に伝わるかどうかはともかく、陣営の勝利への執念もすごい。日本ダービーへの挑戦プランは早くからあたためていたものだ。サトミホースカンパニーの里見治オーナーはサトノラーゼン、サトノダイヤモンドでの2着が最高。特に2016年のサトノダイヤモンドは落鉄してマカヒキにハナ差で敗れており、レース後に地団駄を踏んだ。 一方の国枝師はアーモンドアイ、アパパネで牝馬3冠を達成しているものの、日本ダービーはコズミックフォースの3着が最高。渇望度ではどの陣営にも負けない。