なぜ阪神は逆転サヨナラ負けで27年ぶりの開幕4連敗を喫したのか…2試合救援失敗のケラーと湯浅の緊急配置転換は正解か
阪神が29日、敵地での広島戦に2-3で逆転サヨナラ負けを喫して1995年以来、27年ぶりの開幕4連敗を喫した。1点リードの9回に守護神の新外国人カイル・ケラー(28)を投入したが、守備の乱れなどもあり一死満塁のピンチを迎え、ベンチは急遽、4年目の湯浅京己(22)を投入したが。西川龍馬(27)に右翼越えの逆転サヨナラヒットを打たれた。矢野燿大監督(53)は、試合後、クローザーの緊急配置転換を明かしたが、7点差をひっくり返されたヤクルトとの開幕戦に続き、あまりに痛い勝利方程式の崩壊となった。
上本弟に12球粘られて四球
悪夢が繰り返された。 2-1で迎えた9回、矢野監督はマウンドにケラーを送った。開幕戦のヤクルト戦でカーブを狙われて山田、サンタナに本塁打を浴び敗戦投手となった新守護神である。 この日がデビュー戦となった先頭の広島の新外国人マクブルームにまたカーブをライト前に運ばれた。代走は曽根。會澤を打席に迎えた、その初球に曽根に走られた。バントの構えをしていた會澤はバットを引き、坂本から二塁のカバーに入った中野に送られた送球は完全にアウトのタイミングだった。一度は塁審がアウトのジャッジを下したが、タッチ後にボールがグラブからこぼれた。グラブのポケットではなく、ネット部分でキャッチしていたため、スライディングの勢いで落球してしまったのである。おそらく初球から走ってくることへの準備がなかったのだろう。 會澤はストレートで空振りの三振に打ち取ったが、続く上本を仕留めることができない。なんとフルカウントから6球ファウルで粘られ、最後は根負けしてインコースにボールが外れ四球で歩かせた。上本は思わずガッツポーズ。計12球である。 「後ろに長野さんがいられたんで、なんとかつなごうと、必死にパッチでつないだんですが、その後で“つなぐな(ヒットを打て)”と怒られました。バッティングは得意じゃないんで、粘って粘って次につなげば100点です」とは、この殊勲の四球で、お立ち台に呼ばれた上本のコメント。 上本は2年前に引退した阪神の上本博紀氏の実弟で、オープン戦で打率.385、出塁率.467と結果を残したため、横浜DeNAとの開幕戦で「8番・センター」のスタメン抜擢。“つなぎ役”として開幕3連勝に貢献していた。