「早く起きなさい!」ってもう叱りたくない…子どもが朝起きられない原因と対策は【医師監修】
【考えられる原因3:起立性調節障害】 思春期(小学校高学年~高校生)に多い起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:通称OD)が原因で、朝起きられないケースもあります。起立性調節障害は、自律神経のコントロールが乱れることによる病気であり、次のような症状が見られます。 <起立性調節障害の症状> ● 朝、起き上がるときに頭痛やめまい、立ちくらみ、倦怠感(けんたいかん)が出る ● 食欲不振 ● 動悸(どうき) ● 頭痛 ● 午後になると回復することが多い 起立性調節障害は、「夜更かししているのでは?」「怠けているのでは?」と誤解を受けることも多いですが、体(自律神経)の病気であることを理解しましょう。罹患(りかん)している場合はさまざまな症状で苦しんでいる可能性があります。 下記の11項目のうち3項目以上当てはまる場合は、受診を検討しましょう。 <起立性調節障害の簡易チェック> ☐立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい ☐立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる ☐入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる ☐少し動くと動悸あるいは息切れがする ☐朝なかなか起きられず午前中調子が悪い ☐顔色が青白い ☐食欲不振 ☐臍疝痛(さいせんつう※)を時々訴える ☐倦怠感あるいは疲れやすい ☐頭痛 ☐乗り物に酔いやすい ※臍疝痛:おへその周囲の痛み 出典:(『小児起立性調節障害診断ガイドライン 改訂第3版』日本小児心身医学会,2023) 【考えられる原因4:睡眠時無呼吸症候群】 大人だけでなく、子どもも睡眠時無呼吸症候群にかかることがあります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気。体が低酸素状態になってしまいます。 子どもに睡眠時無呼吸症候群が見られるようになった背景には、花粉症などのアレルギー性鼻炎や、生活習慣病の増加で気道が狭くなりやすくなっていることが指摘されています。 <睡眠時無呼吸症候群の簡易チェック> ☐いびきが大きい ☐寝ている間、呼吸が数秒間泊まる ☐何度も目が覚め、眠りが浅い ☐寝ながらせき込む