「早く起きなさい!」ってもう叱りたくない…子どもが朝起きられない原因と対策は【医師監修】
なかなか朝起きられないお子さまにお悩みのかたもいらっしゃるかもしれません。睡眠不足や生活時間の乱れが気になりながらも、深刻な原因が潜んでいるのではないかと不安に思うこともあるでしょう。 子どもが朝起きられない原因にはどのようなことが考えられるのか、どう対策すればいいのかについて、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。起きられない原因を探る簡易セルフチェックもご活用ください。
監修者
山中 岳 先生 子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。
朝起きられないのは甘えじゃない! 深刻な原因が潜んでいる可能性も
お子さまが朝起きられずに、登校がギリギリになったり、遅刻したりすると「だらしない」「やる気がない」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、朝起きられないのは怠けているからではなく、別の理由が隠れていることもあるものです。 本人のやる気や気合の問題と片付けることなく、原因に向き合い、それに合わせて朝気持ちよく目覚められるようなサポートをしてあげたいですね。
朝起きられない時に考えられる4つの原因は? 簡易セルフチェック付き
一口に「朝起きられない」と言っても、その原因はさまざまです。原因ごとに、特徴的な行動や状態をチェックリストとして示しますので、お子さまの状況を踏まえて、原因の見当を付けることにお役立てください。 【考えられる原因1:睡眠不足】 朝起きられない原因として、最も多いのは睡眠不足です。子どもたちも学校に部活、習い事と忙しい中、家族だんらんの時間やゲームなど息抜きの時間も持つとなると、どうしても寝る時間が遅くなってしまいがちです。また「うちの子は、十分に寝ているはず」と思っても、成長期のお子さまにとっては足りていないことも多いもの。米国睡眠学会が示している子どもに必要な睡眠時間は次のとおり。お子さまの睡眠時間と比べていかがでしょうか? ● 6~12歳:9~12時間 ● 13~18歳:8~10時間 <睡眠不足の簡易チェック> ☐睡眠時間が7時間に満たない ☐日中にあくびが多い ☐授業中や帰宅後に寝てしまう ☐休みの日は、いつまでたっても起きてこない ☐集中力が落ちている 【考えられる原因2:睡眠の質の低下】 睡眠時間はとれていても、睡眠の質が低いと十分に脳と体を休められず、朝起きられなくなることがあります。部屋の明るさや温度、寝ている間の音、寝具、スマホやゲーム等の寝る直前の行動など睡眠の質に影響を与えるものは数多くあります。不安やストレスを抱えている場合にも、眠りが浅くなるでしょう。 <睡眠の質の低下の簡易チェック> ☐睡眠時間は十分とれているのに、すっきりしない ☐眠りが浅い ☐何度も寝返りを打つなど寝苦しそうにしている ☐不安やストレスを抱えている様子で元気がない