ザックJの欧州遠征は海外組のラストチャンス
細貝は攻撃への絡みがアピール材料
今シーズンからヘルタ・ベルリンに移籍した27歳の細貝は、新天地への順応を考慮され、コンフェデ以降は招集されなかった。さらに国内組だけで編成され、優勝を勝ち取った7月の東アジアカップで、同じボランチのポジションに23歳の山口螢(セレッソ大阪)が台頭してきた。 豊富な運動量とボール奪取力を兼ね備える山口には、原技術委員長も期待を寄せている。 「球際の強さとパンチ力は非常に評価しています」 細貝としては持ち前である中盤における激しい守備を実践した上で、自ら課題として挙げていた攻撃への絡みの部分で、成長している部分を生き残りへのアピール材料としたい。 実戦で細貝がボランチのコンビを組むとしたら、おそらく遠藤保仁(ガンバ大阪)となる。攻撃力を生かすために遠藤をやや前目に出し、後方で中盤における守備をカバー。その上でチームにスイッチを入れる、効果的なタテパスを前線に供給できるかどうか。 左サイドバックでの起用が多かったレバークーゼンとの契約を2年残して移ったヘルタ・ベルリンでは、念願だったボランチでのプレー機会を与えられている。ザックジャパンの発足時からメンバーに名前を連ねてきた細貝にとっても、真価を問われる遠征となるはずだ。
大迫、豊田と争うハーフナー
身長194cmと他の追随を許さない高さを誇る26歳のハーフナーだが、2011年9月の初招集以来、代表チームにおいては周囲を満足させる結果を残していない。一方で高さを武器とするFWとして、東アジアカップ以降では23歳の大迫と28歳の豊田陽平(サガン鳥栖)が試されている。 大迫と豊田は今遠征に招集されていないが、原技術委員長は「だからと言ってダメということではない」とこう続ける。 「ハーフナーは大迫、豊田と競争させていくと思います」 コンフェデでは足元にボールが収まらず、コンディション不良からか極端に運動量も少なく、試合の流れから消える時間帯がほとんどだった。もっとも、足元の技術を高めろ、運動量を増やせと注文しても、急に変わることはできない。 ならば、自らのストロングポイントである「高さ」をどこまで生かせるか。ハーフナーの高さを生かすような日本の攻撃は、これまで皆無だったと言っていい。 どんなボールが欲しいのか。ゴール前のどこにパスを送って欲しいのか。練習の段階から遠慮することなく味方にメッセージを伝えていかなければ、生き残りにつながるゴールは生まれない。