東京五輪サッカー「死の組」を森保Jは勝ち抜くことができるのか…カギを握る「OA枠」人選
「個々の能力的には、アフリカ特有の身体能力が高い選手が多い。加えて、アフリカ予選をスカウティングしても、非常に組織的な戦いをしてくるチームだと認識している」 最後のポット4からはフランスがグループAに入った。ロシアワールドカップ制覇に貢献した、22歳のFWキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)はフル代表のエースとして、東京五輪の開幕直前に決勝が行われるユーロ2021に専念するため不参加が濃厚と伝えられている。 それでも、22歳のGKアルバン・ラフォン(ナント)や21歳のDFジュール・グンデ(セビージャ)、18歳のMFエドゥアルド・カマビンカ(レンヌ)、22歳のMFマテオ・ゲンドゥージ(ヘルタ・ベルリン)らが集う東京五輪世代に、森保監督も「タレントぞろいのチーム」とこう続ける。 「世界のサッカーをスカウティングしているときに、東京五輪年代の若い選手たちが世界のトップトップのサッカー大国に数多く輩出されていて、選手層が非常に厚い国という印象をもった。ユーロとの兼ね合いで東京五輪に出てくるチームもメンバーが変わってくるかもしれないので、これからスカウティングを進めて、どのようなチーム作りをしてくるのかを把握していきたい」 五輪のサッカー競技は、7月23日の開会式前にスタートする。日本は同22日に東京スタジアムで南アフリカ、25日に埼玉スタジアムでメキシコ、28日には横浜国際総合競技場でフランスとグループリーグを戦い、各グループの上位2位までの8ヵ国が決勝トーナメントに進出する。 対戦相手も決まり、チーム編成が大詰めを迎えるなかで注目されるのが、年齢制限に関係なく最大3人を招集できるオーバーエイジの存在となる。オーバーエイジ枠を行使するのか、と問われた森保監督は「チームがより安定して戦うために、オーバーエイジの力は必要になってくる」と構想に入れていると認めた上で、フル代表も率いる立場から招集する選手の条件にまで具体的に言及した。 「まずは絶対的な戦力になりうる選手だと思っている。つまりはフル代表でコアなメンバーとして戦っている、より経験値の高い選手を、と考えている。東京五輪世代の選手たちが思い切ってプレーできるような、チームの支えになるような選手をオーバーエイジとして考えていきたい」 チームを支えるという意味では、センターラインに強力な一本の芯が生まれる人選が理想となる。真っ先に名前が思い浮かぶのは、3月シリーズの韓国代表戦でワントップとして存在感を放ち、周囲を生かす術が衰えていないと証明した30歳のFW大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)となる。