なぜU-24代表は強豪アルゼンチンにリベンジを果たせたのか?
有言実行の痛快なリベンジ。スコアこそ0-1ながら内容的にはU-24アルゼンチン代表に完敗した初戦から中2日。舞台をミクニワールドスタジアム北九州へ変えた29日の第2戦で快勝した直後に、東京五輪世代となるU-24日本代表のMF久保建英(ヘタフェ)が声を弾ませた。 「同じ相手にホームで2度負けるなんてありえないので。1戦目で負けた後に『2戦目でしっかり借りを返す』と言いましたけど、なおかつ自分は前半を終えたときに、トータルで1-1だったので『あと1点ほしい』とみんなに言っていました。2戦合計でも勝てたし、本当によかったと思っています」 前半を1-0で折り返した日本は、後半にともに久保が放った左コーナーキックから2ゴールを追加し、守ってはアルゼンチンを零封した。26日の初戦から続けて先発したのは久保と、後半23、28分にヘディングで連続ゴールを見舞ったボランチの板倉滉(フローニンゲン)の2人だけだった。 しかも、ゲームキャプテンを担った板倉は、東京スタジアムで行われた第1戦のセンターバックからボランチへ一列ポジションを上げていた。個人的なポジション変更とボランチのコンビを組んだ田中碧(川崎フロンターレ)の存在が、オーバーエイジを招集する本気の陣容で来日した東京五輪の金メダル候補、アルゼンチンのシュート数を前半は何と「0」に、トータルでも「4」に抑える快勝劇の呼び水になった。 今シーズンのオランダリーグでは開幕から27試合すべてで、板倉はセンターバックを主戦場としてフル出場を続けている。久しぶりとなるボランチでのプレーを前にして、川崎の下部組織の後輩でもある田中と横関係ではなく、田中を後方にすえた縦関係で戦おうと話し合って決めた。 「アオ(田中)はボールを持てるだけでなく味方にさばけますし、周りもよく見える。一人でもすごく勝てる選手なので、僕はアオを邪魔しないように今日はちょっと前目に、アオと2列目の間にポジションを取ろうと。そうすることで相手もちょっと嫌がっていたので」 身長186cm体重75kgのサイズを誇り、対人守備の強さに自信をもつ24歳の板倉が潰し役に徹したことで、球際での攻防やセカンドボールの回収率で後塵を拝していた、第1戦の敗因となった部分が劇的に改善された。もちろん一人で戦ったわけではないと、板倉は手応えをつかんでいた。 「守備のところでもボランチから中盤に、中盤から周りに伝えることができていたと思っています」