45歳の地方公務員、上司に「管理職試験」をすすめられたけど、年収が今より「100万円」増えるなら受けるべき?“管理職のメリット”や“注意点”を筆者の体験もふまえ解説
管理職になりたくない本当の原因は?
管理職になるかどうかの判断基準は年収だけではありません。公務員に限らず、管理職になりたくない理由の多くは、その多忙さや責任の重さなどが敬遠されるためです。 職務内容にもよりますが、管理職になると管理監督者という立場の責任など、職務にかかるプレッシャーが従来よりも大きくなるのは想像に難くありません。できれば気楽に働きたいと考える人は、苦労している管理職を間近に見て、管理職になるのをちゅうちょするのも無理はないのではないでしょうか。 苦労に見合った報酬が得られれば管理職になってもいいという人もいますし、いくら報酬が高くても管理職にはなりたくないという人もいるでしょう。管理職になるかならないかは、「働き方」という個人のライフスタイルを大きく左右する要素なのです。
管理職にならないデメリットも考えよう
収入の一部を諦め、管理職の重圧や多忙さを回避するのは、確かに管理職にならないメリットです。一方で、収入以外にも管理職にならないデメリットは存在します。 管理職にならないと、職場での立場は一定の範囲でしか上がりませんが、官公庁のような組織で仕事を進める上では、肩書が影響する場面が多々あります。自分と意見が合わない年下の管理職や上司の指示に従わなければならない場面が増え、それを苦痛と感じる人もいるでしょう。 そんな状況で仕事に対するモチベーションを保(たも)てるかは、その時にならないと分らないものです。年齢が上がるにつれて、組織の中での立場が上がらないことのデメリットも出てくることは十分に留意しておきましょう。
筆者の体験から
筆者は30年以上地方公務員として勤め、管理職になるか悩んだことがあります。最初は昇任試験を辞退しましたが、最終的には管理職となり、能力がある優秀な職員には試験を受けることを勧めていました。 筆者が管理職になったのは経済的な理由ではなく、職場の上下関係を割り切って長く仕事を続ける自信がなかったからです。管理職の仕事は想像どおりの厳しさでしたが、それ以外の職員の職務環境も年々厳しさが増していました。何が「気楽な働き方」なのか、人によって異なりますが、管理職にならなかったとしても、ずっと気楽に働けるかどうかは分からないということです。 最も大切なことは、いかに心身の健康を保って仕事を続けられるかということです。迷った際の判断の基準は「健康」だと考えておけば、迷いも少なくなるのではないでしょうか。
まとめ
公務員に限らず管理職になるかならないかは、経済的なメリットはもちろん、個人のライフスタイルに直結する「働き方」の選択でもあります。迷った際は、さまざまなメリット・デメリットを比較した上で、尊敬できる先輩など実際に体験した人に相談してみてはいかがでしょうか。 出典 大阪市 大阪市職員のモデル年収額(令和5年度見込) 愛知県 職員給与等の公表(令和5年4月1日現在)4 職員の手当の状況 福岡県 福岡県の職員給与・定員管理等について 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部