デザイナー鈴木啓太と刃物鍛冶をルーツにもつ燕三条の老舗がコラボ。【今日の逸品】
〈DYK〉の包丁
カーサ ブルータスの人気企画「10選」シリーズから、こだわりの逸品をジャンルレスに日替わりでご紹介します。 【フォトギャラリーを見る】 江戸時代末期にノコギリ鍛冶として創業した新潟県・燕三条の〈髙儀〉と、醤油差しから鉄道車両まで幅広く活躍するプロダクトデザイナーの鈴木啓太。斬新な組み合わせから生まれたキッチンツールブランドが〈DYK〉(ダイク)である。 〈DYK〉の包丁は流れるようなデザインが特徴。パン切り包丁やペティナイフも含めて5種類あるが、おすすめは何と言っても牛刀だ。モリブデンバナジウム鋼を使った刃は、やみつきになる切り心地。そして、ステンレスのハンドルは「モナカ構造」――お菓子のモナカのように2つの膨らんだパーツを溶接し、中空にすることで軽さを実現した形である。軽いうえに握りやすく、力を入れやすいので食材が滑りにくい。固い食材も気持ちよく切れるのだ。 包丁はどれも6,000円前後と買いやすい価格設定。シリーズで取り揃え、組み合わせながら使うのもいい。そういえば、〈髙儀〉の原点は大工道具。日本の大工たちが、手になじんだ道具を取り合わせて使うことで美しい建物を作ってきたように、愛着のわく包丁を使い分けることでおいしい料理ができるのかも。 公式サイト
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