「収入ナシ優しいイケメン夫」を育てた”親の溺愛”と高学歴高収入妻の決断
子どもの自立を阻む保護者は「一種の虐待」?
葉子さんも夫もいずれ歳をとります。そうなったときに、夫の息子は一人で生きていけるのかとも心配になってしまいました。「子どもを愛する」ということは、大人になっても子どもを金銭面や生活面でサポートし、なんでもやってあげることではありません。むしろ自立できるように突き放すことも時には必要なはず。そうでないと、「自分だけでは生きられない人を作る」ことになってしまうのですから。 夫のご両親の「愛し方」は、自分がいないと生きていけないようにしている「共依存」のように感じてしまいました。 もちろん、葉子さんが当初夫に求めたように、夫が家事をし、葉子さんが稼ぐという形も素晴らしい夫婦関係です。しかし夫は結婚してもなお他の人ともお小遣いをもらって関係を持つことをやめられませんでした。しかもそれを夫の両親が後押ししていました。それでは、夫婦間に信頼関係ができるはずもありません。 夫の息子も、祖父母である夫の両親に愛され、困難を与えられないまま、夫のように育つ可能性もあります。しかし、12歳にして家事も得意な彼は、様々な力があります。その能力を伸ばせば、十分自立できるはずです。祖父母や父といった保護者が「自分たちが必要とされること」を求めるがあまり、なんでも先回りしてやってしまうことは、子どもの自立を阻む一種の虐待でもあるように感じました。 夫はもうすぐ40歳、息子は中学生。夫の両親が天国に旅立った時、どのような道を選ぶのか……その先にいい未来があることを願わずにはいられません。そして葉子さんは「親に言われるから結婚・離婚する」という「親からの大きな影響を受ける自分」をみつめ、自分がどのように生きたいのかを冷静にみていただければいいなと思います。 調査料金は15万円(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)