「収入ナシ優しいイケメン夫」を育てた”親の溺愛”と高学歴高収入妻の決断
親が子供を溺愛し、本人の自立や問題解決能力を奪うことが原因となる調査は多いです」とは、キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんだ。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。 【マンガを読む】惚れてしまったのは高校中退で無職のヒモ男…「好きな男と別れたい」 2024年6月5日、厚生労働省は2023年の「人口動態調査」を発表。注目を集めたのは、1人の女性が一生のうちに子供を産む指標となる「合計特殊出生率」が1.20と過去最低を記録したことだ。中でも、合計特殊出生率が1を切った唯一の都道府県・東京都(0.99)は大いに話題となった。 少子化は、経済社会の衰退、若年の労働力不足、社会保障費の増大などの問題もあるが、子供が少ないことにより、周囲の大人が過干渉になる傾向も指摘されている。1994年に政府が最初の総合的な少子化対策となる「エンゼルプラン」の策定以降、親子のいびつな関係が発端となる痛ましい事件が目立っていると感じる人も多いのではないだろうか。 今回山村さんのところに相談にきたのは、40歳のキャリア女性・葉子さん。結婚1年になる39歳の夫の行動に疑惑を抱くようになっていた。前編「高学歴高収入のファザコン女性が結婚した「収入のない優しいイケメン」の秘密」ではふたりの出会いから相談に来るまでの経緯をお伝えした。 葉子さんは超高学歴女性で、1LDKのマンションを購入し、独身生活を謳歌していた。付き合ってきた男性はいたが、結婚に至ることはなく、母から結婚と出産をするなら今がラストチャンスだと言われたことで、婚活をすべくマッチングアプリに登録する。しかし、アプリ婚活は難航を極めた。葉子さんがハイスペックすぎるために、男性が引いてしまったのだという。 また、葉子さんにはイケメンで包容力がある父親がいる。同世代の男は父に比べると見劣りしてしまうという問題もあった。夫と出会ったのは、葉子さんが飲みに行った新宿のバー。ナンパをされて飲んでいたが、相手の男が葉子さんの飲み物に薬を入れる。それを見ていた夫は、葉子さんを店の外に連れ出し、口に指を入れて吐かせてくれた。それに感動し葉子さんは夫をホテルに誘い、男女の仲になった。 容姿端麗で家事が万能であり、優しい夫に“主夫”になってもらうこと願う葉子さんは、交際10日目にプロポーズして入籍。夫には月の食費10万円と小遣い3万円を渡していた。清潔な住環境と健康的な食生活、妊活にも積極的な夫に満足していた。 しかし、1ヵ月前、突然12歳の男の子が家に来た。夫と前妻との間の子だという。この子も引きこもり状態で、おとなしく言うことを聞くイケメンで、家事が万能だという。 夫は息子に家事を任せて、外出・外泊もするようになる。夫は「実家にいる」と言い、夫の両親も「来ている」と言うが疑わしく思った葉子さんは、山村さんに真実を知るための調査を依頼したのだ。