子どもがすすんで「お手伝い」をしてくれた理由 池江璃花子さんの母親が子に伝えていたこと
パリ五輪出場を決めて注目される競泳の池江璃花子選手。あきらめない精神は称賛を集め、また多くの人へ勇気を与えています。 【データ】東大生の男女300名の幼少期の習い事、1位が水泳、3位が野球。では2位は…? 指先と学力の見逃せない関係 そんな池江璃花子の選手の親である池江美由紀さんは、璃花子さんを含めた3人の子を母一人で育ててきました。時間と家事に追われる美由紀さんを助けたのが、子どもたちの積極的なお手伝いだったそうです。 幼児教室も運営する池江美由紀さんが、著書『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』で子どものお手伝いについて触れた一節を紹介します。 ※本記事は池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです
自分のことは自分でさせる
子どもの自立は、子育ての重要な目的の一つです。いつまでも親が手取り足取り、子どもの面倒を見てあげることはできません。 「自分のことは自分でやる」─これは、子どもが生きていくうえで基本的なことなのです。 親は、子どもの身の回りのことをすべて世話しようとするのではなく、子どもが自分でできるように導いていくのです。 私の3人の子どもたちは、みんな保育園の頃から、上履きは自分で洗っていました。スイミングスクールに通う荷物も自分で準備し、自分で片づけていました。帰ってきたら、私がバッグから中身を出して洗ってやるなんて、したことはありません。 とはいっても、知らん顔をして放っておくのではありません。「スイミングの準備はできた?」「使ったものは洗濯して干しておこうね」「明日の学校は○○と○○がいるんだね。持ち物リストを作ってチェックしよう」などと、折に触れ、声をかけたり、促したりしていました。
池江家のルール「回転ずしで自分が食べたいものは自分で」
家族で回転ずしに行ったときも、自分が食べたいネタは自分で注文するのが我が家のやり方でした。 「マグロの赤身ください!」「サーモンをサビ抜きでお願いします!」 今のようにタッチパネルで注文するのではなく、カウンターの向こうにいる職人さんやフロアの店員さんに、直接声をかけて注文する時代です。子どもたちは臆することなく、大人に交じって欲しいものを自分で注文していました。 外で「トイレに行きたい」と子どもが言えば、たとえ海外であっても、「じゃあ、あの人に、どこにあるか聞いておいで」と言って、お店の人などに自分でトイレの場所を尋ねに行かせました。 親が先回りして手助けするのではなく、必要な情報は自分で取りに行くのだという経験を、小さい頃からさせておくことが大事です。やってくれるのが当たり前ではなく、自分でやるのが当たり前という環境づくりが大切です。 そうすると、結果的に親も楽になりますし、子どもも自立できるのです。 【ポイント】子どもが必要とする情報は、親が先回りするのではなく、小さい頃から自分で取りに行く経験をさせる。