60代以降は「太り気味」くらいがボケにくい。脳を老けさせない意外な習慣
アルコールを飲めば飲んだだけ脳は萎縮する
こうした話を聞いて、「自分は飲みすぎてはいないから大丈夫」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 「適量ならいいだろう」と考えたくなりますが、東北大学が65歳以上の健常者を対象にアルコールと脳萎縮の関係性を調べたところ、アルコール摂取は、脳血管障害のリスク因子となることや、生涯におけるアルコール量が多くなるほど脳容積が少なくなることも確認されています(※)。つまり、一度にではなくても、飲めば飲んだだけ脳は萎縮するということです。 ※Takiら Alcohol,Clinical and Experimental Research 2006 このようにアルコールは少しでも飲めばリスクになるというエビデンスが揃いました。大量飲酒や飲酒を習慣づけることは避けるのがベストですが、お酒を飲みたい人からすれば、まったく飲まないというのは辛いことでしょう。ではどれくらいまでならいいのか?
適切とされるお酒の量は想像以上に少ない
厚生労働省の発表では、生活習慣病のリスクを高める純アルコール量は1日あたり男性が60g以上、女性は40g以上です。適切な量としては1日あたり男性が20g、女性は5~10gとされています。 純アルコール量をお酒に換算してみると、アルコール度数5%のビールなら約500mL、アルコール度数15%の清酒は約170mL、アルコール度数12%のワインなら約210mL、アルコール度数40%のウイスキーやブランデーなら約60mL、アルコール度数35%の焼酎なら約70mLです。 自分が普段飲酒している量は、純アルコールにするとどれくらいになるかは次の計算式から導き出せます。 お酒の量(mL)×アルコール度数/100×0.8=純アルコール量(g) どうでしょうか。適切とされる量は想像以上に少ないと思いませんか? 下戸の私には痛くもかゆくもない結論ではあります。欧米では健康志向の高まりにより、食事中にアルコールを飲まない人、とくに若者が増えていて、レストランのメニューには、従来からあるジュース類以外にも、多くのノンアルコール飲料が書かれています。 飲酒習慣をやめられない人たちも、わかっちゃいるけど止められないと開き直らず、こうしたトレンドにのって、少しずつ酒量を減らしていくと、脳と身体の健康リスクを下げることができるかもしれません。
ESSEonline編集部