マクラーレン・ホンダのテスト不調の理由とは?
開幕まで1カ月を切った2015年のF1。その舞台に7年ぶりに復帰するホンダの状況は、一向に好転しない。 今シーズン、初のテストとなったスペイン・ヘレスでの合同テストでは、断トツの最下位。最終日にジェンソン・バトンがマクラーレン・ホンダでの ベストタイムをマークしたが、それでもトップタイムをマークしたキミ・ライコネン(フェラーリ)から7秒も遅いタイム。まったく勝負になっていなかった。 速さだけではない。信頼面でもライバルチームに大きな差をつけられている。ヘレスでマクラーレン・ホンダが走行した周回数は4日間で79周。これは初日にメルセデスAMGのニコ・ロズベルグが走行した157周の約半分でしかなかった。 この状況は2週間後に行われたスペイン・バルセロナでの合同テストでも大きく変わることはなかった。しかも、このテストでは信頼性不足だけでなく、4日目にステアリングを握ったフェルナンド・アロンソがクラッシュし、病院に搬送されるというアクシデントにも見舞われた。 マクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は「今週のテストはチームにとって厳しいものとなったが、まだテストは2月26日から4日間残されている。そのテストでステップアップできるよう、これから懸命に作業していく」と強気の姿勢を崩さないが、最終テストへの参加を見送り、開幕戦に向けて体調を整えるために自宅で休養をとっているアロンソは、「開幕戦のオーストラリアGPが6月か7月だったらいいなという思いは、正直ある。でも、開幕戦が3月だという現実は変わらないし、それに向けて私たちがパーフェクトな準備ができるかどうかは、いまはわからない」と、厳しい状況で緒戦を迎える覚悟でいる。 1988年に16戦15勝という金字塔を打ち立てたマクラーレン・ホンダ。なぜ今回、これほどまでに苦労しているのだろうか。 その理由は大きく分けて2つある。