2024年はサイの胎児に、なぜナショジオの「心揺さぶる世紀の傑作写真」に選ばれたのか
戦争、人類の悲劇、科学の進歩、絶滅の危機から救出された生物など、写真は私たちの歴史を力強く物語る
残り2頭のキタシロサイの存続に新たな光が差した。2頭はいずれもメスだが、キタシロサイはまた繁殖できるかもしれない。 ギャラリー:キタシロサイの最後のオスほか、心揺さぶる世紀の傑作写真2000―24年 写真家のエイミー・ビターリ氏は、10年以上、絶滅の瀬戸際に立たされるキタシロサイを追いかけてきた。最後のオスの心揺さぶる写真は、2018年のその年の1枚に選ばれた。 そして2024年は、科学者の手にのるミナミシロサイの胎児の写真が選ばれた。サイの体外受精に初めて成功し、代理母が妊娠した受精後70日目の胎児だ。 残念ながら、妊娠とは無関係な細菌の感染により、母親は妊娠2カ月ほどで亡くなってしまった。しかし、この成功はキタシロサイの胚をミナミシロサイの代理母で育てる道への扉を開くものだ。
文=AMY MCKEEVER/訳=ナショナル ジオグラフィック日本版