おいしいフォカッチャ、実は今年で7000歳
フレッシュに、味付けされて香ばしく焼き上げられたフォカッチャを囲んで家族や友人と楽しむ姿を想像してみてください。実はこの姿、7000年前から存在していた伝統的な美食のシーンです。 【全画像をみる】おいしいフォカッチャ、実は今年で7000歳 紀元前7000年から5000年頃の近東(現代の中東地域の一部)の農耕社会では、大きなパンやフォカッチャを焼き、動植物由来の材料で味付けして属していたという可能性を発見。
7000年前から中東ではフォカッチャを焼いていた
11月5日に学術誌「Scientific Reports」で発表されたローマのラ・サピエンツァ大学やバルセロナ自治大学の研究者によるチームによるこの研究結果は、中東の肥沃な三日月地帯に住んでいた人々が、豊かで美味しい食文化を築いてことを示唆しています。 我々の研究は、当時の人々が、栽培した穀物などさまざまな材料でパンやフォカッチャを準備して、グループで消費していた鮮やかな当時の姿を描いています。我々が特定した脱穀用のトレーの使用は、新石器時代後期の食文化が約600年にわたって発展し、近東の広い地域で実践されてきたことを示唆しています。 と、ラ・サピエンツァ大学のセルジオ・タラント氏(研究の筆頭執筆者)は、声明の中で述べています。 この研究によれば、すでに過去の研究から、新石器時代後期において、この地域のコミュニティが水と小麦粉を使用して脱穀用トレーでパンを焼いていたことはわかっていたそうです。こここでいう「脱穀用トレー」とは、低い壁、楕円形の底、そして内部の表面はパンを取り出しやすくするために意図的に粗く作られた、粘土製のトレーです。 研究チームは、実験考古学を用いてこれを検証し、脱穀用トレーのレプリカを使って実際にパンを焼きました。 その結果、当時のパン職人は、脱穀用トレーをドーム型のオーブンに入れ、420℃で約2時間焼いたと推測されています。各パンの重さは約3キロで、当時の人々はグループでこのパンを食べていたと思われます。 さらにこの研究では、この脱穀用トレーが穀物の生地を焼くために使用されていた可能性についても調べられてます。シリアとトルコの国境沿いにあるメズラ・テレイラト、アカルチャイ・テペ、テル・サビ・アビヤドの遺跡から出土した紀元前6400年から5900年の脱穀用トレーの破片に含まれる有機残留物を分析した結果、当時の人々は脱穀用トレーを使用して、小麦や大麦などを小麦粉に加工し、動物性脂肪などの動物由来の材料を使った料理をしていたことが示唆されました。さらに、植物由来の調味料の痕跡も見つかったケースもあります。 さらに残留物の劣化状態から、少なくとも2つのケースで、この脱穀用トレーがドーム型のオーブンの中で生地を焼くために必要な温度に達していたことが示唆されています。また脱穀用トレーの使用痕から、パンや味付けされたフォカッチャの残留物と関連しているという証拠も特定しました。
フォカッチャは深い
この研究を通じて、近東の新石器時代後期の人々の豊かなパン食について、さらに証拠を裏付ける結果となりました。特に、脱穀用トレーで加工された特定の材料が、より複雑な食文化に寄与していた可能性を示唆しています。 現代、私達が美味しいイタリアンレストランでたまに出てくるサービスのフォカッチャに喜んでる7000年前から、中東の人たちはその美味しさを知っていたということですね。 大昔からフォカッチャって人類に愛されてたんだな。フォカッチャは「パンの祖先」とも呼ばれてるらしいですが、いやはや、フォカッチャ、深い。
mayumine