月曜日が憂うつなのは休日に問題が...日本人に足りない「休むために仕事」する意識
仕事と私生活、両方の満足度を上げる
彼らが休日に実践しているのは、次のような5つのことです。 【実践①】休日と仕事を切り離す 休日と仕事を完全に切り離すことを意識しています。仕事のことは頭の片隅に追いやって、スポーツや趣味など、目の前の楽しさに集中することを徹底しています。仕事を忘れることで、脳と心と身体を「完全リセット」しているのです。 【実践②】エネルギーを再充電して、創造性や集中力を高める 休日は怠けるための時間ではなく、自分の中のエネルギーを再充電して、創造性や集中力を高めるための機会と考えています。充実した休日を楽しむことで、ストレス・レベルを下げ、長期的なパフォーマンスの向上を目指しています。 【実践③】デジタルデトックスの時間を作る 休日には、デジタルデバイスから距離を置くことを重視しています。メールやSNSの確認を控えることで、仕事の圧力から解放され、リラックスした気分で休日を満喫できるといいます。必要な連絡は事前に済ませるか、休日明けに対応することを周知徹底しています。 【実践④】健康管理を徹底する 平日だけでなく、休日も健康管理に気を配っています。「健康的な食事」と「十分な睡眠」、「適度な運動」は、彼らのルーティンの一部になっており、これらを徹底することで、仕事中の高いエネルギーレベルを維持し、ストレスに強い身体を保つことを意識しています。エグゼクティブの多くが、休日に軽い有酸素運動をしています。 【実践⑤】良好な人間関係の維持 親しい友人や家族と一緒に過ごす時間を重要視しています。人とのつながりや信頼関係、愛情を深める行動は、オキシトシンの分泌を促します。オキシトシンは、「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、脳内にオキシトシンが分泌されると、長く続く幸福感を得ることができます。世界の一流は、気心の知れた友人や家族と一緒に時間を過ごすことで、長期的な幸福感を手に入れているのです。 こうした考え方から、彼らエグゼクティブが目指しているのは、「ワーク・ライフ・ハーモニー」(仕事と生活の調和)の実現であることがわかります。 頑張って仕事をすると、プライベート(私生活)が犠牲になります。私生活を優先させると、仕事がおろそかになります。 日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を「対立構造」で考えがちですが、マイクロソフトのエグゼクティブは、仕事が個人の成長を促し、個人の生活が仕事のパフォーマンス向上に役立つ......と考えています。彼らは、仕事と私生活の両方のクオリティを上げて、両方の満足度を高めることを目指しているのです。
越川慎司(株式会社クロスリバー 代表取締役)