【令和の岩倉使節団】がアメリカで見たものとは何か?
自動運転という未来がすでにあった
水代 完全自動運転タクシーのウェイモにも乗れましたね。あれは衝撃でした。 大城 本当にそうでした。アメリカ取材中、1番の衝撃と言っても過言ではないほど、驚きでした。乗車体験記は、記事にも書きましたが、人間の運転よりも“ちょっぴり上手い”というのが最もふさわしい表現だと思いましたね。当然ながら運転手はいないのに、安心して乗っていられるんです。日本にも普及してほしいものです。 参考記事:『<サンフランシスコでの乗車体験記>透明人間が運転?「Waymo」に乗って分かったこと』 水代 西海岸では、フリーウェイに乗ってもテスラばっかりでしたね。また、フリーウェイといえば、渋滞もひどくて、UCバークレーからサンフランシスコに戻ろうとしたら、大渋滞にははまりました。その日はドジャースがサンフランシスコジャイアンツの本拠地「オラクルパーク」に来ていて、チケットをとっていたんです。そしたら、渋滞で足止めを食らっている際に、大谷選手がホームランを打っていたんです(笑)。あれには参りましたね。 結局、球場に入ったのは6回でした。驚いたのが、4カ所くらい大きい入り口があるんですけど、僕らが到着した時には、1カ所しか開いていないと言われて……。これ日本だったら大変なことになりますよね、多分。「お金払っているのに何事だ!」みたいに。セキュリティーもしっかりしていて、手荷物は預ける仕組みでしたね。 球場内でビールを買うだけなのに、ここでもチップが求められました。こっちがカウンターで買っているだけなのに、20%のチップがとられてしまうわけです。球場内の売り子から購入するときは、3種類の%があったのですが、「20%を押せ」と言わんばかりで、びっくりしましたね(笑)。 スターバックスのスタッフからは「日本が一番ホスピタリティ高い」とよく言われています。パロアルトやクパチーノのスタバに行くと、確かに日本ほどのホスピタリティは高くありません。ちなみに、僕の連載の担当編集者の友森副編集長が、ニューヨークのスタバのレジでコーヒー豆と水筒を買ったら、やはり、チップが必要だったそうです(笑)。 大城 私もニューヨークのグランドセントラル駅の売店でペットボトルの水を購入した時、チップを取られました。ただ単に冷蔵庫からペットボトルを取って、レジに出しただけだったのに……。しかも、水は5ドルくらいして、びっくりしました。日本ならチップなしで100円程度で売ってますから、いかに安いかですね。 水代 ただチップは、聞いてみると、若者を支援する投資っていう意味があるそうですね。例えば飲食店で働いている若い人たちに「頑張れよ!」というエールを込めて渡している、夢を持っている若者たちを自分たちが支えるんだという思いがある。やっぱチップ文化は日本にもできてほしいかなと思いました。 飲食店などを巡っていると、「どうして彼らのほうが生産性が高いのか?」と不思議だったのですが、やはり、単価が日本より高いということと、さっきの「オラクルパーク」の球場のように、割り切りで、日本のような過剰なサービスをしないということなのではないかと思いました。 他にも、「アプリが使えないと、荷物を受け取れません」ということもあった。日本だったら、「スマホを使えないお年寄りをどうするんだ!」と、いろいろな苦情対応を考えてしまい、結局導入されず、人手を使うという発想に行きがちです。そこに対しては割り切るというか、削り取るというか、こうした思い切りの良さも、アメリカのパワーの一つなのかなと思いました。 大城 そうでしたね。思い切った割り切りがありましたね。