フェルスタッペンへの「馬鹿げた」処罰をF1ドライバー全員が支持せず。GPDA、次戦アメリカGPまでにFIAと協議へ
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、先週末のシンガポールGPで『RB20』に乗り込む前から“トラブル”に巻き込まれていた。彼が木曜日のFIA記者会見で、不適切な言葉を使用したためだ。この会見は『F1 TV』と数カ国の権利保有者によって生中継されたため、フェルスタッペンはすぐにスチュワードのミーティングに呼び出され、「公共の利益となる奉仕を行う義務」という処罰を受けた。 【写真】ルイス・ハミルトン(左/メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(右/レッドブル) スチュワードは、昨年11月に行われたラスベガスGPの金曜日の会見でトト・ウォルフ(メルセデスF1チーム代表)とフレデリック・バスール(フェラーリF1チーム代表)が罵倒語を使った後に、厳しいガイドラインが設定されたことを全競技者に再確認させた。それは、カルロス・サインツ(フェラーリ)のマシンがコース上の緩んだ排水溝カバーのせいで事実上破壊され、彼が残りの週末に追加のパワーユニット(PU)とギヤボックスを使用しなければならなくなったことにバスールが怒りを見せたときのことだった。 しかし、フェルスタッペンはこのペナルティに激怒し、それ以降は予選後とレース後の公式記者会見で非常に短い回答をするに留めた。彼はFIAエリアの外で会って質問に答えると記者たちを招き、実質的に公式セッションをボイコットしたのだ。 土曜日、非常に寡黙になったフェルスタッペンの隣に座っていたランド・ノリス(マクラーレン)とルイス・ハミルトン(メルセデス)は、この処分について簡単にコメントした。ノリスはこの件について自身の本当の意見を述べる前に、「彼は自業自得だ。汚い言葉を使ったから……」と冗談めかして語った。ノリスにとって、このペナルティは「かなり不公平で、いかなる点にも同意できない」ものだった。 フェルスタッペンの宿敵であるハミルトンでさえ、「正直に言って、ちょっと冗談のようだと思う。これはこのスポーツの最高峰だ。間違いは起こるものだ」と述べた。彼は現王者に科せられた公共の利益となる奉仕については、もし同じような処罰を受けた場合「僕は絶対にやらないし、マックスもやらないでほしい」と付け加えている。 フェルスタッペンは、自身の立場について「スチュワードに反対するものではない」と強調したが、次のように主張した。「でも、これは馬鹿げていると思う。それならなぜ僕は、完全に答えなければならないのだろう? 彼らは大きな前例を作りたいようだが、それはとても奇妙に思える。僕は誰も侮辱しなかった。僕にとって、これはこのスポーツを前進させる方法ではない」 他のドライバーたちも、明らかにワールドチャンピオンを支持している。フェルスタッペンは、「僕がGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のチャットグループで処罰を受けたと公表したとき、あまりにもばかげていたので、皆が『冗談か』と尋ねてきた」と明かした。 GPDAのディレクターを務めるアレクサンダー・ブルツは、「チャットでは誰もそれがクールだとは思っていないし、ドライバー全員がそのことをはっきりと認識している」と認めた。元F1ドライバーであるこのオーストリア人は、ペナルティを科す前にFIAとその会長がフェルスタッペンを呼び出して連盟との対話を求めなかったのは奇妙だと付け加えたが、次のように認めた。 「言葉の選択には注意しなければならないことは皆が知っているが、昨今ではドライバーが本物であり続け、なりたい姿であり続けるのは非常に難しいことだ。私は個人的には言葉で競争相手を攻撃するのは好きではないが、もしマックス(・フェルスタッペン)が自分のマシンについて不満を言うのであれば、彼のチーム代表のみと話し合うべきだ」 ブルツは、GPDAの全会員と同協会が取るべき行動方針について話し合った後、FIAの役員と話をする予定であることを認めた。また彼は、次のグランプリまで3週間の時間があることから、10月の第3週にF1がオースティンに到着する前に問題が解決することを望んでいるという。 [オートスポーツweb 2024年09月25日]