戦力として“見切り”近づく選手も? 伸び悩む「元ドラ1」たち、来季は結果を求められるのは
10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議。注目度が高いのはやはりドラフト1位の選手たちであるが、期待が大きい分、かかるプレッシャーも大きくなることも事実だ。そして、そんな高い注目度の中で苦しんでいる選手も少なくないが、今回は来シーズンそろそろ結果が求められるかつてのゴールデンルーキーについて探ってみたいと思う。 【写真】慶大不合格からケタ外れのエースになったプロ野球選手がこちら 毎年のように高い期待を受けながら、なかなか殻を破れないでいる印象が強いのが西純矢(創志学園→2019年阪神1位)だ。2年目の2021年に一軍で初勝利をあげると、2022年には6勝、2023年には5勝をマーク。しかし5年目の今シーズンは4試合にリリーフで登板しただけで、ルーキー以来となる一軍で0勝に終わった。ストレートは140キロ台後半のスピードはあるが、細かいコントロールが課題で、数字の割にとらえられることが多い。 変化球も球種を増やすなど工夫は見られるものの、絶対的な決め球がない。二軍ではそれなりの投球をしても、一軍のローテーションに加わるには心許ないという状態が続いているというのが現状である。長くチームで先発を務めた青柳晃洋がポスティングシステムでのメジャー移籍を目指すということもあり、来季は何とか開幕からローテーション争いに加わりたいところだ。 近年のドラフトで1位指名選手の活躍が目立つのが2020年である。伊藤大海(苫小牧駒沢大→日本ハム)、栗林良吏(トヨタ自動車→広島)、佐藤輝明(近畿大→阪神)、早川隆久(早稲田大→楽天)などが1年目から中心選手となり、高橋宏斗(中京大中京→中日)、鈴木昭汰(法政大→ロッテ)、山下舜平大(福岡大大濠→オリックス)も順調に主力へと成長している。 そんな中で最も苦しい立場となっているのが渡部健人(桐蔭横浜大→西武)だ。大学時代、4年秋のリーグ戦では8本塁打、23打点という大活躍を見せて早川の外れ1位で西武に入団。1年目にはイースタン・リーグでトップタイとなる19本塁打をマークし、一軍でプロ初本塁打を放つなど将来の中軸候補として期待は大きかった。しかし3年目の昨シーズンに一軍で6本塁打を放ったものの、今年は11試合に出場して33打数1安打、打率.030と低迷。貧打に苦しむチーム事情を考えると大きなチャンスのシーズンだったにもかかわらず、定位置獲得どころか一軍定着も果たすことはできなかったのだ。