福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全文2/完・質疑応答)
福島第一原発事故の発生から間もなく5年を迎えるが、福島県の県民健康管理調査検討委員会の星北斗座長が7日午後3時から、東京の外国特派員協会で記者会見した。 福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全文1)甲状腺検査など 福島県では、原発事故で放射線の影響をどの程度受けたのかを長期的に調査しており、県民対象に甲状腺検査などを行っている。星座長はこれまでの報道で、いま見つかっている甲状腺がんと放射線の因果関係について「影響は考えにくい」との見解を述べている。
調査に関する影響は
通訳:司会のほうから1つさせていただきたいと思います。 通訳:調査にとっても何か影響があるというふうに思われますでしょうか。 星:まず調査に関する影響という意味で言うと、われわれはそれは感じていません。法的に東電の人たちに対する、なんらの措置が行われていることに対して、私個人としてもですし、多くの県民がそう思っていると思いますが、当然にしてもらうべきことはしてもらうべきだというふうに感じてはいると思います。しかし、そのことがいまの私たちや、これからの子どもたちや、これからの福島を何かいい方向に導いてくれるものでないのであれば、われわれはそれはそういうことなんだろうなと受け止めることになると思います。 司会:Thank you very much. Next question. Yes, please.
小児甲状腺がんについて、多発だと認められるのか?
朝日新聞:どうも、朝日新聞のタニナカと申します。小児甲状腺がんについてですが、1巡、2巡で167人という診断が出たと。これはこの間の福島での会見もちょっと見ておりました、まだ原因が分からないと。放射能の由来であるかどうかも含めて分からないとしても、これは多発であるから早く手を打ったほうがいいんじゃないかというお医者さんもいるわけですが、座長としてはこれは多発であると認められますでしょうか。そうでないとしたら、これはどういう説明をできますでしょうか。 チェルノブイリではやはり5年目ぐらいのいまの時期には多発ではないと言っていたのが、10年後には多発と認めるというコースをたどっておりますので、福島も今後、そういうチェルノブイリのコースをたどる可能性があるのか、ないのか、その理由も併せてお聞かせください。 星:言葉の定義をしなければいけないと思うんですが、多発ということ、言葉を使っていいものかどうか、少し考えなければいけないと思いますが、多く見つかっているという意味においてはこれまで知られている統計に比べて多く見つかっているということは事実です。もちろん多発といいますか、その影響があるということも考慮に入れてこの検査を実施しているわけですから、私たちは影響がまったくないと、あるいはその疑いがないんだということを申し上げるつもりはありませんし、そのことは繰り返し言ってきております。 これは中間取りまとめの中にも今、引用されていることですけれども、被曝線量が非常に少ないということ、それから今回見つかった、特に1巡目で見つかったがん、発見が、その被曝からの期間が非常に短いということ、今で言えば1年から4年ということになりますが。それから事故当時の5歳以下からの発見が今のところないというようなことから、そしてもう1つは地域ごとの差が大きくないということなどからわれわれは直接の影響ではないというふうに、考えにくいという言葉をよく使わせていただいておりますが、放射線の影響とは考えにくいという表現でこのことを捉えております。 私どもは、これまでの検査は学校単位、あるいは地域単位でやっていましたので、大変高い検査の受診率を今のところ維持しています。ところが、18歳を超えますと、なかなかそういう形で集団で検査をするということが難しくなりますので、これらについても今後、どういうふうにしていくかというのは1つの課題だと考えています。以上、お答えになったでしょうかね。 朝日新聞:チェルノブイリについては。 星:今のところ、あ、どうぞ。チェルノブイリとの比較は線量が大きく違うというのが1点ですし、その検査を始めた時期も大きく異なっておりますし、検査の精度なども違っていますので、それらを科学的に専門家の意見なども聞きながら、今後も評価をし続けていくことになると思います。 司会:Thanks. Any question is?