【F1】2024年の10大ニュース(前編)「1998年以来26年ぶりに名門マクラーレンが頂点に立った」
その一方で、8回のポールポジションを獲得しながら6勝しか挙げられなかったのは、やや物足りなさもある。チームの戦略ミスやノリス自身のドライビング、ノリスとピアストリを自由に戦わせたがゆえの取りこぼしも少なくはなく、実力で言えばカナダ、スペイン、オーストリア、イギリス、イタリア、サンパウロ、カタールなどは勝っていてもおかしくなかった。 事実、シーズン前半14戦はレッドブル、シーズン後半10戦はフェラーリが獲得ポイントで上回っており、マクラーレンはいずれも2位。実力としては前後半どちらもトップレベルだったが、最終戦までフェラーリとのコンストラクターズタイトル争いがもつれたのは、マクラーレン自身の取りこぼしのせいでもあった。 マクラーレンは1998年以来、実に26年ぶりとなるタイトル奪還。ノリスは8回のポールポジション獲得ながら4勝止まりだったものの、まだ今年になって初優勝を挙げたばかりだ。 ノリスもマクラーレンも、タイトルコンテンダーとしてはまだまだ成長の途上にある。シーズン開幕当初から強さを発揮できるであろう2025年に、どんな戦いぶりを見せるのかが楽しみだ。 (3)誰が勝つかわからない「4強」大混戦時代 2024年シーズンは、近年稀に見る大混戦になった。それもトップ4チームの争いが激しく、レースによって誰が勝つかわからないという魅力的な状況だった。 リザルトとしてはレッドブル=9勝、マクラーレン=6勝、フェラーリ=5勝、メルセデスAMG=4勝という結果になった。 しかし、第11戦オーストリアGP以降の14戦で言えば、マクラーレン=5勝、メルセデスAMG=4勝、フェラーリ=3勝、レッドブル=2勝という大接戦だ。 総じて言えば、ハイダウンフォースのサーキットではマクラーレンが、ローダウンフォースのサーキットではメルセデスAMGが、そしてメカニカル性能が問われるサーキットではフェラーリが強かった。つまり、サーキット特性とマシン特性の相性によって、毎戦のように勝者が変わる展開になったということだ。