“見捨てられた被災地”能登で生きる 震災から1年 復興進まず“集約化”の動きも
脊戸郁弥さん 「金沢で消防士をしてた時に東日本大震災の現場を見ているので。今回の地震が来た時に『あんな風になる』って思ってしまったんですよ」 「自宅の土台が割れて、2階に行ったら歩いてても駆け足になってしまうぐらい完全に傾いています」 自宅の1階には、インスタント食品やアルファ米、缶詰などたくさんの物資が。自分たちのためではなく、被災地で配るために全国から集めたものだ。行政の支援が行き届かない中、小規模な避難所などに配って回っていた。 脊戸郁弥さん 「こうやって能登が壊れかけているので、復興できるような手助けをしていきたい」 9月の豪雨災害でも、ボランティアチームを作って被災した家の清掃作業を行った。今は能登の未来を守ることに力を尽くしている。 現在は林業が本職の脊戸さん。ボランティアで小学校の裏山を整備し、子どもたちの遊び場を作った。自然豊かなふるさと能登を好きになってほしいという思いからだ。 ■「子どもたちが誇れる能登に」コンパクトシティには複雑な思いも 生まれも育ちも能登町。自然とともに生きてきた。過疎が進むこの地の復興に合理化を持ち込もうという国の政策には、複雑な思いが。 脊戸郁弥さん 「普通に人が暮らしやすく、今後も継続して生きていくという考えだと都市部に人を集めて『コンパクトシティ』じゃないけど、コミュニティを小さくしてというのがいいのかなって思うんですけど。能登の人々は文化を大切にしてきた、伝統を重んじて生きてきたので」 画家の小林さんは展示を終えた絵をモデルの家族に寄贈している。 脊戸郁弥さん 「こんな絵を描いてもらったのは初めて。いい記念になった」 4人だった家族は今5人に。11月に生まれた次男の琉禅くん。 脊戸郁弥さん 「この子たちが能登で育ったんだよって誇りを持てるような能登を作っていきたいと思います」 5人でこの土地で生きていく。 CBCテレビ「チャント!スペシャル 報道のチカラ2024」12月27日放送より
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