なぜ、Amazonはレジなし精算「ジャスト・ウォークアウト」を撤去した? フリクションレスの視点で考察
サービスに関わるすべての人に意識してほしい「フリクションレス」
プロダクトの機能開発や改善をしていると、マーケティングや営業のチームから機能改善要望や、新規機能開発の要望が寄せられることがあります。「エンドユーザーへの認知を強化したいから、〇〇できるようにしてほしい」「営業先の企業からこのような開発要望をもらったから、●●は絶対に必要だ」というものです。 私は支援会社でマーケティングを、プロダクトサイドでサービスの企画・開発に携わっていた経験もあり、比較的どちらの意見も、その要望が上がる背景も理解できる方だとは思います(そのとき置かれる立場によって、必ずしも平等で合理的な判断ができているとは思わないですが)。 「機能を追加したのに全く利用されなかった」「開発中に要望元の企業が解約してしまった」という経験ももちろんあります。マーケティングチームもプロダクトチームも、両方ともユーザーのためを考え、ユーザーに焦点を当てているのに、なぜこのような事象が起きるのでしょうか? それは端的にいうと「両チームの目的が異なるから」ではないかと思います。マーケティングは、企業が持つブランドイメージなどを通じて、製品の認識価値を高めることに関わります。プロダクトチームは、ユーザーがプロダクトを通じて目標を達成するのにかかる精神的・物理的なインタラクションコストを減らすことに重きを置いています。この2つのチームの目的とソリューションが合致すれば、ユーザーに素晴らしい体験を提供できるはずです。 なぜこのようなことを考えたのかというと、「フリクションレス」という言葉は、取り組むべきことは想像しやすく、実現しやすそうと捉えられる一方で、サービスに関わるすべての人がその発想を常に持つことは意外と難しい、だからこそ重要だなと改めて考えたからです。
マーケターもフリクションレスの体験を意識することが重要
フリクションレスな体験を提供することは、顧客満足度を向上させ、ビジネスの成功につながる重要な要素です。しかし、新たな技術やシステムの導入によってもたらされるフリクションや課題も無視できません。適切なUI/UX設計だけでなく、マーケティング体験の設計も必要です。 フリクションの発生要因を正しく理解し、それらに対処することで、顧客がよりスムーズで、ストレスフリーな体験を享受できるようになります。それによって、顧客ロイヤルティの向上や競合他社との差別化を実現し、ビジネスの成長を促進することができるのではないでしょうか?