なぜ、Amazonはレジなし精算「ジャスト・ウォークアウト」を撤去した? フリクションレスの視点で考察
実生活でもフリクションポイントを意識してシミュレーション思考しよう
私はWFA(Work-From-Anywhere)への企業への転職を機に、若者が多い街から、静かで緑も多く一軒家が並ぶ高齢者が多い住宅街へ引っ越しました。そこで驚いたのが、キャッシュ率の高さです。駅のスーパーにはセミセルフレジと有人レジが併設されているのですが、現金払いが多い印象で、直前まで住んでいたエリアとのギャップに戸惑いました。 また、有人レジの利用者が多いことにも驚きました。セミセルフレジで店員を呼んだり、お釣りを取り忘れたりする光景を何度も見たことがあるので、セミセルフレジでフリクションが発生するくらいなら、最初から有人レジで並んだほうが良いという心理が働いている方が多いのかもしれません。 かくいう私も、セルフレジに苦手意識を抱いたことがあります。1回目は、オフィスビル内のコンビニでコーヒーを購入しようとしたときのこと。コンビニコーヒーはセルフレジでは購入できないと思い、有人レジに並んだら、「次回からはセルフレジで買ってください」と言われてしまいました。毎日そこのコンビニでコーヒーを飲むわけでもなく、現在も購入方法がわからずじまい。結局近くのカフェでコーヒーをテイクアウトしています。 2回目の体験は、普段利用しない出先のスーパーを利用したときのこと。有人レジが長蛇の列だったのと、セルフレジの台数が充実していたので、セルフレジに並んだのですが、買い物カゴ1つ分の買い出しには不向きな小型なセルフレジだったことにレジに辿り着いてから気づいたのです。 バーコードをスキャンしながら、並行して重い野菜や精肉などのパックを傾かないよう袋詰するのは、まさにフリクションを伴う作業。途中でギブアップしたくなった記憶があります。周りの人はお惣菜など、数品しか購入しないお客さんばかりで、せめて「少量の商品を購入する方におすすめです」といった説明書きが書いてあれば…と思いました。