国産小型車の転換点だった2019年 世界トップの性能水準に
クルマに関しては日本の未来は非常に明るい
先に挙げた、カローラ、MAZDA3、ヤリスの3台に是非乗ってみて欲しい。「そんなの感じないよ」と言う人がいるが、人間は絶対それを感じている。 美味しいものが美味しいと分かるのと同じだ。何が違うから美味しいのかを判別したり、言語化して伝えたりする能力はまた違う能力で、それには確かに経験がいる。だけど美味しいか美味しくないかは普通の感性で絶対に分かる。 これらのクルマに、レンタカーでもディーラーの1日試乗キャンペーンでも良い。できれば半日くらい乗ってみて欲しい。その時は分からないかもしれないが、その後自分のクルマに乗り換えた時、愕然とすると思う。「えっ!? こんなに違うの!」。 バブル崩壊から30年、なんとなく暗いニュースばかりに支配されてきたように思うが、日本車のコンパクトカーが世界水準になったことはとても明るいニュースだと思う。 「Japan as Number One Again」。今回は電動化技術などの話には触れていないが、そちらも非常に面白い状況になっていると言える。少なくともクルマに関しては、日本の未来は相当に明るい。
-------------------------- ■池田直渡(いけだ・なおと) 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。自動車専門誌、カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパンなどを担当。2006年に退社後、ビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。現在は編集プロダクション「グラニテ」を設立し、自動車メーカーの戦略やマーケット構造の他、メカニズムや技術史についての記事を執筆。著書に『スピリット・オブ・ロードスター 広島で生まれたライトウェイトスポーツ』(プレジデント社)がある