レンタルからリユース事業への転換で成長、ゲオホールディングス遠藤結蔵社長が語る「先見力」の源泉
■ セカンドストリートのノウハウは「店舗空間づくり」にあり ――好調なセカンドストリートですが、品揃えや店舗拡大以外に何か課題はありますか。 遠藤 今までは業界内で競争が起きないくらいのペースでマーケットが拡大し、プレーヤーも少なかったのですが、だんだん状況は変わっていくでしょう。リユース市場に違う業種のプレーヤーが参入したり、一次流通業者が低価格競争を仕掛けてきたりすることも考えられます。 ――すでにスマホアプリなどが競合になっていると思いますが、実店舗を持つ強みはどこにありますか。 遠藤 われわれは商品を自らの責任でお引き取りして、欲しい方にお譲りするので、売り手と買い手の双方に責任を持っており、健全な二次流通を構築しているという自負があります。 アプリを選ぶかわれわれを選ぶかは、お客さまがどれだけ利便性や経済的なメリットを感じるかにかかってきますが、選ばれるためにも今行っている「C to B to C」の形態を突き詰めていきたいと思います。 ――買取価格などに関して、過去のデータベースが豊富にあるのが強みですね。 遠藤 それなりの優位性はあると思います。また、店舗に来られる方は必ずしも何かはっきりとした目的を持っているわけではなく、「何となくこんなものが欲しい」「今日は何かあるかな」程度の気持ちで来店されることが多い。在庫全てをネットに開示しているわけではないので、そうした気持ちに応えていくのも、店舗を持つ強みになるでしょう。 ――そうなると店舗空間づくりも大事な要素になりますね。 遠藤 そこがまさにノウハウになると思います。百貨店に対抗するようなピカピカできれいなお店ではなく、「中古屋だけどそこまで中古屋っぽく見えない世界観」を大事にしています。 普段着でフラッと立ち寄れる気軽な店で、照明の具合がちょうど良かったり商品の並べ方もそれなりに整然としていたりして居心地が良い。そうした部分のノウハウが、リユース業の中で当社が少しだけ抜きんでている部分です。 ――そのノウハウはセカンドストリートを始めてから蓄積していったのですか。 遠藤 GEOの場合は空間づくりに差別化要因はなく、「安い」「近い」「物がある」が鍵だと思っていました。お客さまの大半は、お目当ての商品を借りて早く帰りたいと思っているので、店舗の居心地がそこまで良くなくても価格で勝つことに徹底的にこだわってきました。 セカンドストリートの場合は発想が違うので、M&Aでノウハウを取得するのが効率的だと考えました。