レンタルからリユース事業への転換で成長、ゲオホールディングス遠藤結蔵社長が語る「先見力」の源泉
■ リユース事業を成功させる必須条件とは ――リユース事業で失敗する事業者もたくさんいます。スタート時点では課題もあったのでしょうか。 遠藤 リユース事業は売るものがなければ回らないため、GEOの仕組みに載せるだけではうまくいかないこともありました。セカンドストリートは2010年にM&Aで取得しましたが、先行者の強みで早くから多店舗化し、お客さまから品物を譲っていただきやすい環境があったのが大きいと思います。 ――店舗間で不足している商品のやり取りなども頻繁に行っているのでしょうか。 遠藤 リユースは買い取りを行った店で売り切るのが、一番効率の良いやり方です。ただ、われわれは新店舗も出しますし、ECもやっているので、買い取った商品を移動させたり在庫から商品を回したりすることもあります。最適化のために商品を移動させるのがベストなのか否かは、物流コスト等の問題もあるので慎重に判断しています。 海外展開でも基本的には日本と同じく「地産地消」が理想的ですが、例えば、マレーシアの店舗では日本で売り切れなかった商品を売っていく方針を取っています。日本でも売れる古着を、北米や台湾などの店舗を成長させるためにあえて輸出するようなケースもあります。ただ、それ以外は積極的に商品を移動させることはしていません。 ――店舗数について国内外の目標はありますか。 遠藤 現状では国内の直営店が800弱、海外がその一割程度ですが、日本は現在の2倍程度までは増やせると見ていて、海外も日本と同数ぐらいまでは持っていきたいです。 海外においては輸出入に関する制約がなく、チェーンのマネジメントが伴えばある程度まで増やせるだろうと考えています。できるだけ物流の負担が大きくならないように展開していきたいと思います。 ――市場規模が大きいとみられる中国やインドには進出しないのでしょうか。 遠藤 今、中国で展開していない理由は、規制によって古着の輸出ができないからです。リユース事業を立ち上げる条件として最も大きいのは、最初に在庫を持って行けるかどうかです。中国やインドは市場としては魅力的ですが、現地で買い取りからスタートするのは非常に大変です。 同じ理由で、インドネシアやベトナムなども進出できていません。ただ、規制もいずれは変わると思いますので、進出にはタイミングを見極めたいと思います。