映画『ゴジラ-1.0』に登場する局地戦闘機「震電」の劇中仕様キット!ヤスリ掛けなどで消えてしまった凸モールドをモデラーズナイフで再生する
【達人のプラモ術<震電>】
ハセガワの1/48震電はロングセラーキットゆえに、パネルラインが凸モールドで表現されており、ヤスリ掛け等の作業でどうしてもモールドが消えてしまいます。 【製作工程を画像で見る】 そこで第3回となる今回は、ヤスリがけで消えてしまった凸モールドを復活させる簡単テクニックを紹介していきましょう。 【教えてくれた人】 長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■簡単テクニックでの凸モールドの再生と機体塗装
左右分割されている胴体や機首の機銃カバーの接合部は、接着後の合わせ目処理のサンディングでどうしても消えてしまいます。凹モールドであれば、ラインチゼル等のスジ堀リツールで彫り直せば良いのですが、凸モールドはなにしろ出っ張っているワケですから再生はなかなか難しい…いやいや、今回の震電のような1/48スケールであれば凸モールドの再選は難しくはないんです。
■モデラーズナイフがあればOK
作業は、消えてしまった凸モールドに合わせてガイドテープを貼り、モデラーズナイフの刃でモールドを彫り描いていきます。えっ? それじゃあ凹モールドになってしまうんじゃないの? と思われるかもしれませんが、いやいやご心配なく、これで大丈夫なので焦らずに作業を進めましょう。 モデラーズナイフでパーツの表面を切り込むと、当然ながら凹線となるのですが、刃で切り込んだことにより、切り込んだ個所の左右のプラが僅かに盛り上がります。この部分を凸線として利用するわけです。0.1~0.3ミリ程度の凸線ならば問題なく再生可能です。 盛り上がる線の太さは切り込みを入れる際の力の入れ方で変わるので、事前にプラ板などで感覚を掴んでから本番に臨んだ方が良いでしょう。本来の凸モールドと線の太さが同じになるように力の入れ加減を調整するのがポイントです。 またフリーハンドだと切り込む際に線がずれやすいので(特に曲線部分)、必ずガイドテープを使用してください。万が一、線がずれてしまった場合は、高切削性の瞬間接着剤で埋め戻して研磨すれ、改めて切込みを入れられます。1/72、1/48スケールの凸モールドであれば、ほとんどこの方法で再生可能です。