映画『ゴジラ-1.0』に登場する局地戦闘機「震電」の劇中仕様キット!ヤスリ掛けなどで消えてしまった凸モールドをモデラーズナイフで再生する
■薄めた溶きパテで凸線を整える
モデラーズナイフで切り込むことで生じた凸線はそのままでもいいのですが、刃を切り込むと切り口の左右が盛り上がるプラの特性を利用しているので、再生した凸線の中央には切り込み線が凹ラインとして残っています。0.2ミリ以上あると再生した凸ラインが不自然に見える事もあるので、ひと手間加えましょう。 ビン入りサーフェイサー(溶きパテ)を溶剤で2倍程度希釈して、エアブラシで、再生した凸モールド部分に厚塗りにならないように軽く注意しながら塗布します。これにより、切り込んだ際に生じた凹線部分が溶きパテで埋まるので、中央部分にへこんで見える不自然さがなくなります。
■機体の塗装
凸モールドの再生が完了したら、いよいよ機体の塗装です。 映画『ゴジラ-1.0』の劇中に登場する機体は、日本機の標準的な上面「暗緑色」、下面「明灰色」に塗られているので(実機の下面は無塗装の銀色だった説もあり)、それに準じた塗装を行います。 塗装が単調にならないように、下地としてセミグロスブラックで機体全体のパネルラインにプレシェーディング塗装を行います。
■塗装は明るい色から暗い色の順番で重ねていく
今回、機体色はタミヤラッカー塗料を使用。機体上面が「LP-31暗緑色2(日本海軍)」、機体下面は「LP-32明灰色(日本海軍)」となります。 劇中機は、スクリーンで観る限りやや明るめの緑という感じですが、個人的な好みで、作例はやや暗い暗緑色をチョイスしました。 塗装は機体下面の明灰色→暗緑色の順で重ねていきます。上下塗装の塗り分けの境目はわりとハッキリした波線なので、エアブラシで塗り分けたのち、筆で境目をタッチアップしてボケ具合を調整しています。 機体の基本塗装が完了したら、主翼前縁をマスキングして味方識別帯の黄橙色を塗装していきます(暗緑色の上だと黄橙色は発色が悪くなるので必ず下地に白を塗装すること)。
■次回完成!マーキングとデカール貼り
ということで今回はここまで。 厄介と思われがちな凸モールド再生ですが、今回は簡単かつシンプルなやり方ということで、モデラーズナイフを使いプラを盛り上げて凸線を再生するやり方を紹介しました。 次回は塗装した機体のマーキング(デカール貼り)とウエザリング新アイテムを使ったチッピング塗装を紹介。震電の完成を目指します! 乞うご期待!
<製作・写真・文/長谷川迷人>