紫式部の弟・惟規の死…SNSで広がる「ロス」の声 紫式部日記につづられた「お前が男だったら」の言葉
大河ドラマ「光る君へ」で、姉・まひろ(後の紫式部)をたびたびサポートしてきた弟・惟規(のぶのり)が亡くなり、SNSでも悲しみの声が広がりました。平安文学を愛する編集者・たらればさんは「身近な人をたくさん亡くした紫式部。それは作品にも影響している」と話します。(withnews編集部・水野梓) 【画像】「光る君へ」たらればさんの長文ポスト 放送の1年「情緒がもつのか…」
解像度が上がると「1.2倍傷つく」
withnews編集長・水野梓:大河ドラマ「光る君へ」の第39回「とだえぬ絆」で、まひろ(吉高由里子さん)の弟・惟規(高杉真宙さん)が亡くなってしまいました……。 父・為時の任地である越後へついていって、寛弘八年(西暦1011年)に亡くなったというのは史実で分かっていたことでしたが、う、う、受け止められません……。 たらればさん:紫式部の兄弟・藤原惟規には、紫式部の兄説と弟説とあるんですけど、ドラマでは弟でしたね。惟規の存在をここまで丁寧に描くとは思っていませんでした。 『光る君へ』というドラマは道長とまひろの物語であり、道長の人生も兄弟姉妹との関係が鍵になりますから、それと対比させたかったんでしょうね。見事な演出でした。 水野:まひろが行き詰まると、励ましてくれたり助言をくれたり。リスナーさんから「まひろ家の『光る君』でしたね」というコメントをいただきましたが、わたしにとってもそうでした(涙)。 たらればさん:この時代や登場人物の解像度が高いと、「あ、この人は何年に死ぬな」だとか「この人との関係はもうすぐ終わるな」というのが分かって、それでドラマの中のセリフや表現が「これは布石だな」だとか「あ、伏線が張られたな」っていうのも分かるわけじゃないですか。 そうすると、世界観への解像度が上がって、もちろん面白みも増しますが、1.2倍ぐらい傷つくんだな、って思います。いや~…ここまで丁寧に描いて、本当に念入りに殺す脚本なんだなぁ……って思います。 水野:念入りに殺す(笑)。ちょっと笑いました。