なぜ元日本代表MF稲本潤一は「キャプテン翼」作者が代表の”5部”南葛SCへの移籍を決断したのか
人気サッカー漫画「キャプテン翼」の作者、高橋陽一さん(61)が代表取締役を務める南葛SCは18日、元日本代表MF稲本潤一(42)が加入すると発表した。 1997シーズンにガンバ大阪でデビューした稲本は、アーセナルやフランクフルトなどヨーロッパでも約8年半にわたってプレー。昨シーズン限りで退団したSC相模原に続く新天地を、東京都葛飾区を拠点にJリーグ入りを目指し、今シーズンから“5部”にあたる関東サッカーリーグ1部へ昇格する南葛SCへ求めた。 漫画の主人公、大空翼がプレーしたチーム名から取った南葛SCには、前ベガルタ仙台のMF関口訓充ら多くの元Jリーガーが所属。引退はいつでもできると、不惑を過ぎても現役に強くこだわってきた稲本はプレーだけでなく、3大会連続で臨んだワールドカップを含めて、日本代表で通算82試合に出場した濃密な経験も伝えていく。
「新しいチーム、環境、カテゴリーで挑戦できることを幸せに感じる」
契約満了に伴い、2019シーズンから3年間所属してきた相模原を退団してから40日。稲本が求めた新たな戦いのカテゴリーはJリーグでもJFLでもなく、頂点のJ1から数えて“5部”にあたる地域リーグの関東サッカーリーグ1部だった。 「子どもの頃に夢中で読んでいた『キャプテン翼』から誕生したチームでサッカーができることを非常に光栄に思ってます!!」(原文ママ) 新天地に決めた南葛SCの公式ウェブサイト上で、クラブの歴史を踏まえながらコメントを発表した稲本は、同時に自身のインスタグラム(@junichi_inamoto17)も更新。南葛SCのエンブレムを投稿しながら、あらためて心境を綴っている。 「新しいチーム、新しい環境、新しいカテゴリーでサッカー選手として挑戦できることを幸せに感じてます!!」(同) これまでに日本が臨んだ6度のワールドカップで、ただ一人となる2試合連続ゴールをマーク。ロシア代表とのグループリーグ第2戦で稲本が決めた一撃で、日本が歴史的な初勝利をあげた2002年の日韓共催大会から20年になる。 ワールドカップのベスト16へ初めて進出するなど、日本中を熱狂させたトルシエジャパンの盟友たちはその間に次々と引退。今シーズンも現役でプレーするのは、ともに1979年に生まれたMF小野伸二(北海道コンサドーレ札幌)と稲本だけになった。 「もちろん同じフィールドでプレーしている選手や、同じ年の選手は刺激になりますよ」 小野や同学年のMF遠藤保仁(現ジュビロ磐田)の存在を問われるたびに、こんな言葉を残してきた稲本は、J1の札幌を退団した後の新天地を相模原へ求めた。