J1再開!なぜ名古屋グランパスは新型コロナ禍を乗り越えてJ1通算400勝を果たすことができたのか?
イタリア人指揮官から打診された先発を受諾した、オーストラリア代表として2014年のブラジルワールドカップにも出場した31歳の守護神は、コンディションには絶対の自信をもって再開を迎えた。 「フィットネスに関してはジムなどでしっかりとトレーニングを積んで、体力面を含めて補強していたので。心配していたことをあげるとすれば、ゲームにおけるリズム感ですね」 ランゲラックによれば、ゴールキーパーは総じて「最初の15分でボールに触れないとか、何らかのアクションがないと不安になる」という。果たして、エスパルス戦では開始1分とたたないうちに、自身から見て左サイドからあげられたクロスに、判断よく飛び出してしっかりとキャッチした。 FW金子翔太に決められた前半18分の先制点は、ドリブルで攻め上がってきたFW後藤優介に4人もの守備陣が引きつけられ、右サイドをフォローしてきた金子をフリーにしたことが原因だった。そして、気持ちをすぐに切り替えることも一流の証となる。ランゲラックに課せられたテーマは、勝負を決められかねない追加点を与えないこと。真価が問われる場面は、失点から11分後に訪れた。 グランパス陣の右サイドを破られ、深い位置からマイナスのパスを折り返される。フリーで詰めてきたのはデビュー戦となった新外国人のFWカルリーニョス・ジュニオ。シュートはエスパルスの選手に当たってしまったが、こぼれ球に素早く反応したカルリーニョスが再び右足を振り抜いた。 至近距離から放たれた強烈な一撃。さらにゴール前には敵味方が重なり合い、ブラインドになる状況も生まれたなかで、ランゲラックはとっさに伸ばした左手をシュートに当てる。わずかに弾道を変えた一撃はクロスバーに弾かれてコーナーキックとなり、絶体絶命のピンチを逃れた。 「最後はクロスバーに当たったけど、しっかりと(反応して)手に当てることができた。あそこでもう1点取られて2点差にされていたら、やはり難しい試合になっていたと思う」