大谷翔平vsM・オズナ「三冠王」になるのはどっちだ!? ナ・リーグ87年ぶりの歴史的偉業へ!
4月は不調で出遅れたものの、5月以降は驚異的な打撃を披露。長打率+出塁率ではじき出されるOPSは0.900を超えれば一流打者といわれる中、月間1.300以上のOPSを3度も記録。51本塁打、124打点は共にリーグ1位を独走し、打率も1位と1分5厘差の.325をマークしている。 「ジャッジはもともと本塁打と打点の二冠王は獲れる打者でしたが、今季は再現性と安定感が増したため、まさに無双状態。打率でも1位になるチャンスがあります」 ジャッジといえば、2022年にア・リーグ新記録のシーズン62本塁打をマーク。投手として15勝、打者として34本塁打を記録したエンゼルス時代の大谷とMVP争いを演じ、ジャッジに軍配が上がった因縁もある。 「私は今でも、2年前は大谷がMVPにふさわしかったと思っています。ただ、もしも今季も同じリーグでMVP争いをしていたなら、ジャッジが獲得するのだろうなと思います。 出塁率、長打率、OPSがすべて2年前よりも向上し、9月に12本塁打を放てば、自身の持つシーズン記録を塗り替えます。投手目線でいえば、勝負を避けたいと思うバッターでしょう」 もはやバットマンの究極形ともいえる今季のジャッジ。ただ、野球人として、アスリートとしては大谷に軍配が上がるようだ。 「スピード面ではボルトと比較しましたが、サッカー選手でたとえるなら、フィジカルモンスターの世界的FWロメル・ルカク級の体の強さを持ちながら、クリスティアーノ・ロナウド並みの決定力や万能性があるのが大谷です。 パワーとスピードというフィジカル的スペックで人類の最高到達点に日本人の大谷が立っていることがすごいし、誇らしい。そのことをもっと認識すべきです」 末恐ろしいのは、そんな大谷がまだまだ全盛期ではない、ということだ。 「32歳のジャッジ、33歳のオズナがそれぞれ全盛期と思わせる活躍をしているのを見ると、最近の打者のピークはそのあたりなのかもしれません。だとすると、30歳の大谷はまだまだ上昇曲線の途中。『50-50』ですら通過点になると思いますし、真の技術と勝負強さを身につけ、さらなる高みを目指してほしいです」 破格の契約に元通訳のスキャンダル、電撃結婚とドラマチックな出来事ばかりの今季。最後は成績面でも最高のドラマを見せてほしい。 *成績は日本時間9月3日時点 文/オグマナオト 写真/時事通信社 アフロ