大谷翔平vsM・オズナ「三冠王」になるのはどっちだ!? ナ・リーグ87年ぶりの歴史的偉業へ!
スイングについては、大谷自身も試行錯誤していることを告白している。 「8月中旬の囲み取材で『構えている段階でいい未来があまり見えていない』と発言。構えがしっくりきていないことを認めています。シーズン当初は『平成の三冠王』である松中信彦さん(元ソフトバンク)のような安定感がありましたが、今は少し打率が高いカイル・シュワーバー(フィリーズ)のようなバッティングです」 シュワーバーとは、打率.218ながら本塁打王を獲得したことのある選手。そこまでの低打率ではないが、月間12本塁打を放ちながら打率が急降下した8月の大谷はまさにこの状況だった。 さらに、今季はシーズン序盤から得点圏打率の低さを指摘されてきた大谷だが、8月の月間得点圏打率は.093と1割を切ってしまった。 「打点はリーグ1位を争っている状況とはいえ、本塁打数の割にやや少ない。その要因のひとつが得点圏打率の低さです。 統計的には、得点圏打率は長期的には収束する『運の要素が大きい』と指摘されがちですが、構えやフォーム、スイングの技術的要因から強い球に差し込まれたり、スタジアムの特性や打ちたい気持ちがはやってボール球に手を出してしまうなど、いくつもの要素が重なっています」 とはいえ、大谷は日本ハム時代も、そしてWBCでも、ここぞという場面で結果を出してきた。その姿をぜひとも取り戻してほしいところだ。 「今季の大谷は、基本的に速い球に差し込まれがちです。また、左の一線級リリーバーを苦手にしており、相手からすると一発の怖さはあっても対処しやすい面も。バットマンとしても真のナンバーワンを目指すには、得点圏での取りこぼしを減らしていきたいです」 ■「40-40」の歴代達成者との違い 大谷が三冠王を目指す上で希望があるとすれば、毎年どこかで来る"無双モード"が今季はまだないことだ。 「例年、6月に確変して爆発的に数字を伸ばしますが、今季はそこまでではなかった。エンゼルス時代と違い、ポストシーズンに向けて徐々に状態を上げていこうと考えているのであれば、9月に無双する可能性もあります。そうなれば、大逆転での三冠王の可能性も見えてきます」