大谷翔平vsM・オズナ「三冠王」になるのはどっちだ!? ナ・リーグ87年ぶりの歴史的偉業へ!
「MLBデビューを果たしたマーリンズ時代にはイチローさんやジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)、クリスチャン・イエリッチ(現ブルワーズ)らスター選手と外野を形成。その能力を見込まれ、カージナルスを経て、ブレーブスに移籍。2020年には本塁打と打点の二冠を獲得するなど、非常に優れたバッターです」 大谷にはない特徴は「安定感」だという。 「とにかく安定感がすさまじく、どの方向にも飛ばせて、右投手も左投手も苦にしません。打率もこのまま残すでしょうし、大崩れはしないと断言できます。 以前は外野をしっかり守っていましたが、近年はDHが主戦場に。守備負担が減り、より綿密に投手対策ができるようになったのか、打撃の全盛期を迎えています。現段階では、バットマンとしては大谷よりもオズナのほうが怖い存在ですね」 ただ、大谷との本塁打の差は7本。三冠王を目指す上では、大谷に打率アップという難題があるのと同様、オズナは本塁打数を大きく伸ばす必要がある。やはり、三冠王はひと筋縄ではいかない高き山なのだ。 今世紀になって達成したのは2012年のミゲル・カブレラ(当時タイガース)ただひとり。ナ・リーグではなんと87年間も達成者ゼロ、という歴史的事実が偉業の困難さを物語っている。 「1リーグ6球団のNPBに比べ、MLBは1リーグ15球団でなおかつ実力者ばかり。それだけで難易度は桁違いです。打撃部門のいずれかで確変的な好成績を残す選手が毎年のように生まれるため、二冠王は達成できても、三冠王は至難の業なんです」 確かに、アルバート・プホルス(当時カージナルス)が二冠王に輝いた2010年は打率を3割台に乗せながら首位打者に届かず。逆に首位打者に輝いた年は本塁打と打点がトップに届かなかった。 「個人的には、打率を残せる選手がパワーを身につけると三冠王の可能性が高くなるイメージです。大谷も開幕当初の打率が残るスイングのままだったら......と思いますが、その場合は本塁打数が今ほど伸びず、『50-50』が視野に入らなかったかもしれないので、難しい問題ですね」 ■バットマンか、アスリートか 今季はもうひとり、ア・リーグでも三冠王に迫る打者がいる。ヤンキースのアーロン・ジャッジだ。