黒田知永子さんがコツコツ続けている、セルフメンテナンスとは?(インタビュー/後編)
ファッション・ディレクターとして、『nuit noire』(ニュイ ノワール)というブランドを立ち上げた黒田知永子さん。最初のコレクションとして発表した黒いワンピースとブラウスは、長年に渡るモデル活動の中から抽出された、究極の3アイテムだ。 そのコンセプトを話してくれる彼女は、相変わらずきれいでチャーミング。63歳の今も、キラキラ魅力にあふれている。その美貌と健康の秘訣は何?
変わってきたから、変わらない
インタビュー前編で、相変わらずキレイな秘訣を“ちゃんと変わること”と教えてくれた黒田知永子さん。 変わるって、何を? どんなふうに? 「そんな、大げさなことじゃなくていいんです。たとえば髪を切るとか、ピアスの穴をあけるとか、ネイルをしてみるとか(笑)。 ファッション誌を見て時代の変化を実感するのもいいし、街を歩いて若い人たちの服装を見るだけでもいい。ファッションブランドのコレクション写真を眺めて、流行を知っておくだけでもいい。 そういう小さな変化や気づきがいくつも自分の中に重なっていけば、前と同じ自分ではいられなくなると思うんです」 黒田さん自身も、ちょっとしたことで更新を重ねてきた。 「40歳を過ぎた頃に、ちょうどモデルの仕事が切り替わるタイミングで、髪をショートにしました。私は本能で生きているから、明確な理由とか、そういうのはないのだけれど、イメージを変えたいと、直感で思って(笑)」 その後、50代になり『éclat』のメインモデルとして活動を開始してからも。 「前髪をパン、と切ったりして。なんか、突然思うの、『そうだ、変えよう』って(笑)。 ちょっと変えればそれだけでメイクも変わるし、気分も上がる。似合う服だって変わるんです」
ピアスをあけたのも、同様のチャレンジ。さらに一昨年、片耳にもうひとつピアスホールを追加して、黒田さんの進化はちょっとずつ、だけど止まらない。 「時々そうやって、気分を変えることって、大事だと思います。何かを変えるのって、楽しいし。ピアスの穴をひとつ追加してみたら、片方なくしたピアスをまた使えるようになって、すごくうれしいの(笑)。片耳にふたつ並ぶと、印象も変わるしね。 そうやって何気なく自分が変わっていけば、選ぶ服だって変わるし、メイクも靴もバッグも変わっていく。すると、会った人に『変わりませんね!』って言われるの。 時代はいつも動いて流れて変わっているから、それと歩調を合わせて自分も変化させていないと時代遅れになってしまう。先端にいる必要はないけど、一緒に動いていれば、時代と同時に変化していけば、『変わらない』ということになるのかも」