新富裕層はどんな人? 事業、不動産投資、暗号資産など「令和の金持ち」が明かす実態 #令和に働く
「私は大学も行かず、当初は高校時代からやっていたすし屋のアルバイトを続けていました。それが、22歳くらいのときに皮膚に魚介アレルギーが出てしまい、仕事を続けられなくなった。そこで仕方なくハローワークに行ったところ、電気設備業の仕事を紹介されたんです」 横田さんは従業員として採用されると、他の人の3倍は働いたという。そうするうちに会社の中心的な存在となったが、あるときから社長との関係が悪くなり、退社を余儀なくされた。そこでやむをえず、自ら電気設備業で起業する。手持ちの資金はなかったので両親の自宅を担保に、銀行から2000万円を借りて創業した。 「創業した年、1200万円の年商でスタートできた。電気設備業は仕事を受注して作業するため、従業員を遊ばせていては儲からない。逆に仕事量にちょうど合う従業員数を抱えている状態なら受注が増えるほど儲かる。そこから、1人雇って2倍になり、その翌年はさらに人を増やして4倍になり、と順調に増えていった。数年前から年商10億円を超えています」
そんな自身の年収は代表取締役の報酬としての3000万円に加え、複数社からの顧問料などもあり合計で約5000万円だという。 「半分くらいは税金で持っていかれます。二人の娘の養育費もある。その上、いい時計があると買ってしまうなど、あるだけ使ってしまうので手元には全く残りません」 これまで使ってきたお金は普通のビジネスパーソンとは比べられないほど多い。かつては東京に来たときに銀座のクラブを何軒もハシゴし、一晩で数百万円使ったこともあったという。 「中小企業(資本金1億円以下)の交際費は800万円まで経費が認められる。私は2社あるので単純に1600万円までは使えます。以前はもっと派手に飲んでいましたが、いまの飲食代はせいぜい年間2000万円くらいですね」 車もBMW、ボルボ、ジャガー、アストンマーティンなど有名な高級外車を常に複数台所有する生活をしてきた。腕時計も好きで何百万円もする高級品を毎年購入している。以前は90万円ほどするエルメスの財布を毎年買い替えていたこともあった。そうしたぜいたくを経て、いつのまにか自分の物欲はなくなっていったと語る。 「最高級の車、時計、カバンなどを手に入れると、それ以上欲しいという気持ちも薄れてくるんですね。そうなると以前のような見栄もなくなる。今では社員の使い古されたトヨタの大衆車・アクアを引き取って、それを運転して出かけることすらあります。それでも全然気になりません。もちろん高級外車を乗り回すこともありますが。何百万円もするエルメスのバッグ、バーキンも家にしまってあります。最低限のTPOは気にするけど、それ以上のものは必要ないという感覚です」