新富裕層はどんな人? 事業、不動産投資、暗号資産など「令和の金持ち」が明かす実態 #令和に働く
暗号資産で資産1億円も、金持ちとは言いがたい
投資で資産を築いている人は多いが、近年はビットコインなど暗号資産で多くの利益を出す人も少なくない。 その一人、足立和夫さん(40歳、仮名)は九州で家族と暮らしている。足立さんが暗号資産を始めたのは2014年ごろ。当時お金が全然なかった足立さんはリップルという暗号資産になけなしの貯金から20万円を投資した。すると、約3年後には100倍を超えた。そのお金を軍資金として、ビットコインでの投資を行い、約1億円の資産を築いたという。いわゆる“億り人”だ。
「そうは言っても暗号資産は株やFXと違い、累進課税なので税率が高い。現金化して1億円以上の所得になると55%も税金がかかることになります。ですので、現金化するのはコインの価格が高いときに少しだけ、という感じで基本的には売りません。価格の変動が激しいので、1億円の価値があったものが3000万円に下がってしまうこともある。でも、ビットコインであれば上がったり下がったりを繰り返すものの、将来的に無価値になることは考えにくい。老後のための貯金だと思って気長に保有しています」 足立さんは会社員として仕事もしており、その収入に加えて暗号資産の一部を現金に替えて1000万円を超える年収を得ている。だが、お金持ちではないと語る。 「暗号資産を初期からやっていた人で何十億円というお金を手にした人もいます。ただ、今からやってそんなに儲かるとは思えない。たまたま時期が良く、実態のないものに投資できたということですね」 足立さんは暗号資産で稼いだ人たちとも交流があったが、派手に稼いでお金を使っていたのはほんの一時期だけで、いまはほとんど見かけなくなったという。
年収5000万円、住宅2億円、貯金150万円
お金持ちの定義の一つとして資産を挙げたが、流動性のある資金を多く持っているかは別の話となる。つまり、「資産を多く持っている人」と「お金をたくさん使っている人」は同じとは限らない。 京都府で電気設備業を営む横田道彦さん(51歳、仮名)は創業して約15年。そもそも起業する意思はなかったが、結果的にそうなってしまったと語る。