一度は食べたい、イタリア美食の地「エミリア・ロマーニャのパスタ料理」5選
イタリアはパスタの生産と消費において世界的なリーダーだ。同国には実に多彩なパスタのかたちや種類、ソースとの組み合わせがあることで知られている。ざっと350種類もの異なる形をしたパスタがイタリアには存在し、それぞれに独自の料理に関する伝統がある。 【画像】「美食の地」伊エミリア・ロマーニャで味わいたいパスタ料理 1995年10月25日にローマで開催された「第一回世界パスタ会議」を始まりとする「世界パスタデー」は、1998年より世界中で毎年この日に祝われるようになった。世界のあらゆる場所で好まれているこのコンフォートフード(食べるとほっとして元気が出るシンプルな料理)に敬意を表する日だ。 非営利団体の国際パスタ組織は、パスタの健康的な利点や手軽さを周知させることで、その消費を促進させる宣伝活動を率先して展開している。世界パスタデーに毎年異なる都市で開催される世界パスタ会議を後援しているのも、そういった取り組みの一つだ。 今年は250のパスタ製造会社、団体代表者、科学者、ジャーナリスト、食のインフルエンサーが米フィラデルフィアに集まった。国際パスタ組織は、飢餓に苦しむ人々に10年間で1000億食の食糧援助を行う「100 Billion Meals Challenge(1000億食チャレンジ)」に参加し、世界の最貧困層に10億食のパスタを寄付することを誓った。 ■エミリア・ロマーニャの味 パスタはイタリア20州のあるゆる場所でメニューに載っているが、同国北部のエミリア・ロマーニャ州がイタリアンパスタの中心地であると多くの人に考えられている。 美食の地(Food Valley)として知られるエミリア・ロマーニャへ旅行を計画しているなら、以下に挙げる5つの基本的なパスタ料理はぜひとも食べるべきだ。いずれも同地域の豊かな食の伝統を象徴するパスタである。 ■トルテリーニ(Tortellini) トルテリーニ(単数形はトルテリーノ)は卵を練り込んだ正方形のパスタ生地にチーズを詰め、一般的には肉を煮出して作った濃厚なスープに入れて食べる料理だ。このパスタの形状は、ローマ神話に登場する愛と美の女神ビーナスのへそを模したと言われている。 トルテリーニの起源を巡って、ボローニャとモデナ(どちらもエミリア・ロマーニャ州の県またはその県都)が何世紀も友好的な論争を繰り広げていたが、1800年代にカステルフランコ・エミーリアという町がその発祥の地であると宣言した。モデナ県のコムーネ(基礎自治体)であるこの小さな町では、毎年「トルテリーノフェスティバル」が開催されている。 ■タリアテッレ(Tagliatelle) タリアテッレは卵を練り込んだ長くて平べったいリボン状のパスタで、フェットゥチーネと似ているがそれよりもやや薄い。一般的にラグー・ボロネーゼと呼ばれるボロネーゼソース(ひき肉、トマト、玉ねぎやセロリなどの野菜、赤ワインなどを煮込んだいわゆるミートソース)と和えて供される。 料理書『イタリア料理大全 厨房の学とよい食の術(La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene)』の著者で「イタリア家庭料理の父」と称されるペッレグリーノ・アルトゥージが、タリアテッレの起源を初めて記録したと言われている。伝説によると、このパスタはフェラーラ公と結婚するルクレツィア・ボルジアを称えるために初めて作られたという。この細長いパスタは、ルクレツィアの長い金髪に敬意を表したものだ。