ジャクソンホールで示したFRB利上げ継続への決意 年明けはタカ派的なシナリオも?
利上げ「休止」か「4.5%」?
FF金利(誘導目標レンジ上限)は9月に3.25%(利上げ幅は+75bp)となった後、11月は利上げ幅が50bpに縮小して3.75%、12月は4.00~4.25%(+25or50bp)で着地するのではないでしょうか。その後、2023年は利上げ休止もしくは4.5%程度までの利上げが想定されます。これは現在の金利先物が織り込む水準に比べてややタカ派的なシナリオですが、パウエル議長の発言に鑑みると妥当な経路に思えます。 利上げの頂点(ターミナルレート)が4%に達するとの見通しは6月にも生じていますが、今後4.5%への到達が市場参加者に浸透すれば、10年や30年金利が6月の水準を超えても不思議ではありません。そうであれば、金利低下を追い風に楽観的な雰囲気に包まれてきた株式市場は再度逆風に晒されます。S&P500種株価指数は8月12日に1月の高値から6月安値までの下落幅の半分を取り戻す「半値戻し」を達成し、そのこと自体が楽観論に拍車をかけていましたが、そうした楽観的な雰囲気をFRBは良しとしませんでした。再び金利上昇に見舞われれば「半値戻しは全値戻し(を達成する)」との相場格言に疑問を投げかけるのではないでしょうか。 ---------------------- ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。