しぶんぎ座流星群に始まり「ウルフムーン」の満月と「衝」の火星が共演 1月の夜空
2025年も、見ごたえたっぷりの天文イベントが盛りだくさんの1年となる。2019年以来最大のスーパームーンも待ち遠しいが、まずは新年の始まりを祝うにふさわしい、今年屈指の天体ショーを楽しんでほしい。 【画像】1月はしぶんぎ座流星群、半金星、ウルフムーンの満月が楽しめる 1月の夜空を飾る一番手は、三大流星群のひとつに数えられる「しぶんぎ座流星群」だ。さらに、月がおうし座のプレアデス星団(すばる)に接近し、金星は東方最大離角となり、満月と火星が共演する。今月の天体観察についてまとめた。 ■1. しぶんぎ座流星群が極大 日時:1月3日(金)深夜~4日(土)未明 方角:全天 かつて存在した幻の星座「しぶんぎ座」にちなんだ名をもつ「しぶんぎ座流星群」は、知る人ぞ知る流星群だが、極大時には1時間に約120個もの流れ星が出現することもある。今年の見ごろは1月3日の深夜~4日の明け方だ。三日月が沈んだ後で、月明かりに邪魔されないため観測条件はよい。明るい火球が多い流星群でもあり、全天のどこにも流星は流れるので、空全体を見わたすようにしよう。 ■2. 月とすばるが接近 日時:1月10日(金)夕方~深夜 方角:東の空 おうし座のプレアデス星団(すばる)は夜空で最も美しい天体のひとつ。明るい7つの星を七人姉妹に見立てて名付けられたこの散開星団の軌道は、天球上における太陽の通り道である黄道(こうどう)に近く、月とランデブーすることがたびたびある。北米ではこの夜、月がプレアデス星団の手前を横切る「プレアデス星団食(すばる食)」が見られる。 ■3. 東方最大離角の「半金星」 日時:1月10日(金)の日没後 方角:南西の空 惑星にも満ち欠けがある。地球から観測できるのは、水星と金星の2つだけだ。金星は1月10日に見かけ上の距離が太陽から東に最も離れる東方最大離角となり、半月のように片側半分だけが光っている姿を見るチャンスが訪れる。日没後に小型望遠鏡で観察してみよう。 金星は太陽系の中で地球よりも内側の軌道を回る内惑星で、太陽の光を全体に浴びた満月と同じ状態の金星の姿を地球上から見ることは決してできない。地球にとても近く、明るく輝いているため、満ち欠けを見るには望遠鏡が必須だ。 ■4. 満月と火星が共演 日時:1月13日(月)~14日(火) 方角:東の空~西の空 明るい火星が、ほぼ丸い形の月に接近する。北米などでは火星食が見られるが、日本では月が13日夜から14日朝にかけて火星に近づいていく様子と、14日夜から翌朝にかけて火星から遠ざかっていく様子を観察できる。 ■5. ウルフムーンの満月 日時:2025年1月14日(火)の日没後 方角:東の空 1月の満月は、米先住民の農事暦で「ウルフムーン(狼月)」と呼ばれる。東の地平線が開けた場所で、太陽が西に沈むのと入れ替わりに昇ってくるのを待ち構えよう。 ■6. 火星が「衝」となる 日時:2025年1月16日(木)の日没後 場所:東の空 火星はこの夜、26カ月ぶりに地球をはさんで太陽とちょうど正反対の位置関係にくる「衝(しょう)」を迎え、最も明るく、最も大きく、最も美しい姿を見せてくれる。赤く光る火星が夕暮れ時に東の空に昇り、夜明けとともに西の空に沈む様子は、肉眼でも望遠鏡でもすばらしい光景だ。最も美しく見えるのは今週から来週にかけてだが、今年11月まで火星は夜空に輝いている。 ■7. 金星と土星が並ぶ 日時:2025年1月18日(土)の日没直後 方角:南西の空 夜空で2つの惑星がランデブーする光景は美しい。今回の金星と土星の共演は数週間にわたって観察できる。両惑星は毎晩少しずつ距離を縮めていき、18日の夜を過ぎるとまた離れていく。日が沈んだ後の南西の低空に見えるので、観察しやすい。
Jamie Carter