RIZIN、K-1を超えろ!「3150ファイトクラブ」亀田興毅会長の画期的な挑戦は成功するのか?
元世界王者の亀田興毅(34)が会長を務める「3150ファイトクラブ」が12月16日に大阪のメルパルクホールで「3150ファイトVol.1」と銘打った興行を開催することが16日、都内で発表された。同大会には5年ぶりのリング復帰となる元WBA世界ミニマム級王者の宮崎亮(33)とヘビー級でのデビュー戦となる但馬ミツロ(26)が出場予定。格闘技のK-1やONEなどを放映しているネットTVのAbemaが全試合を生中継する画期的な興行となる。
Abemeで全試合生中継
大阪で行われる興行が都内で発表された理由は、AbemaTVでの生配信が行われたからだ。12月に開催される大会は、亀田会長の父の亀田史郎氏がYouTubeの企画でプロテストに合格させたグリーンボーイたちの4回戦の試合から、メインで予定されているWBC世界ライトフライ級王者、矢吹正道(29、緑)の実弟の力石政法(27、緑)の試合まで全試合をAbemaが格闘チャンネルで生中継するため、そのプロモーションを兼ねての会見となった。 「全試合の生中継は画期的ですよ。Abemaの格闘チェンネルの視聴者とボクシングは相性がいいはず。全国には、ひとしれずボクシングをやっている選手が多い。映像を残してあげたいし、入場曲、煽りV、ラウンドガールなどの演出面も含めしっかりと伝えていきたい。そうすればファンもついてくる。K-1などの格闘技みたいに女性ファンにもてるボクサーを作りたいしボクシングはいけてると思われる見せ方をしていきたい」 RIZINやK-1などでは、煽りVTRが用意され選手の人物像を伝えることでファン層の拡大につなげている。亀田会長は、Abemaのスタッフが、それらの格闘技番組の制作チームであることから、そのノウハウを利用して、中継のアングルなど格闘技番組の成功しているエッセンスを取りれ「ファンを拡大したい」という。 「K-1が若いファンを取りこみ成功した。ボクシングは、五輪競技でもあり、格闘技界に比べて世界の競技人口は大きい。格闘技界が成功してきた手法をボクシングでも取り入れれば、凄いスポーツだということが伝わるはず」 Abema側から支払われる中継料は多くないが「ビデオを含めた番組の制作費や中継設備、スタッフなどを自前でやればかなりの出費になる。そこを持ってくれて、しかも生中継してくれるのだからプラス面のほうがでかい」と亀田会長。 AbemaにはPPV配信のできる環境もあり、「ゆくゆくはビッグマッチをPPVにしたい」とのビジネスモデルも思い描く。 またAbemaというプラットホームを3150ファイトクラブの所属選手の独占にするのではなく、「他のジムのボクサーにもどんどん出てもらいたい」との考えがある。 「このモデルを成功させてボクシング界全体の人気につなげたいんです」 「3150ファイトクラブ」のナンバーシリーズは年間3、4回を予定。その間には「4回戦を軸にした小さい大会も挟みたい」との計画があり、「ネット配信だから、全国どこへでもいける。たとえば栃木や香川など地方都市で興行をしていきたい」というプランも温めている。総合格闘団体のRIZINがナンバーシリーズに加えて「RIZINトリガー」という地方開催を念頭においたケージファイトのシリーズの立ち上げを決定。すでにネット配信を軸とした「RIZINランドマーク」シリーズをスタートさせているが、亀田会長も、同じビジネスモデルをボクシング界にも持ち込みたいと考えているのだ。 この日の会見には、その記念すべき大会の目玉となるべき2人の選手が登場した。 元WBA世界ミニマム級王者の宮崎と、ヘビー級の但馬だ。宮崎は2017年9月に無免許運転と公務執行妨害で逮捕され、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた。12月に執行猶予が明けるため、ライセンス復帰が認められ、心機一転、ジムを移籍して、5年ぶりの再起戦に挑む。 対戦相手は未定。亀田会長曰く「みんなに断られている」そうだが、宮崎は「5年ぶりだけどボクシングから一回も離れていない、ほんとは世界ランカーとやりたかったがJBCから5年ぶりなので6回戦の選手と一度、やってくれということなので、6回戦のA級ボクサーとやります」と豪語。 「おまえ5年ぶりやろ?大丈夫なん?」と亀田会長が聞き返して笑いを誘った。 亀田会長は「どれだけの動きをするかで今後のプランは変わってくる。出来次第では、来年末にも世界戦もある」と断言。 宮崎は、ライトフライ級、フライ級の両方で世界返り咲きを狙う方針で、ライトフライ級には、WBA世界同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)、WBC世界同級王者の矢吹正道、フライ級には、WBO世界同級王者の中谷潤人(MT)という日本人王者がいてターゲットには事欠かない。