異例の”即決”FA人的補償で横浜DeNAが巨人から獲得した田中俊太は“第2の平良”となれるのか?
巨人の田中俊太(27)がFAで移籍した梶谷隆幸(32)の人的補償で横浜DeNAに移籍したことが18日、両球団から発表された。プロテクトの28人から外れていたもので二遊間の強化が補強ポイントだった横浜DeNAの思惑と一致、異例のスピード決着となった。田中は今季48試合に出場、打率.265、1本塁打、6打点に終わったが、ソフトバンクに4連敗した日本シリーズでは打率.286と気を吐き第4戦にはスタメン抜擢されていた。横浜DeNAでは過去に山口俊(33)の人的補償で2017年に巨人から獲得した平良拳太郎(25)がローテーションの中心投手に成長するなどFA流出で主軸が抜けたピンチをチャンスに変えた例がある。田中は第2の平良となれるのか?
三浦新監督「走攻守にバランス」と評価
異例のスピード決着だった。FA宣言をした梶谷、井納翔一の獲得を巨人が正式発表したのが14日。井納はCランクだが梶谷はBランクで金銭プラス人的補償の対象選手だったため、横浜DeNAは巨人にリストの提出を求め、そこからわずか4日での決着。ルールでは公示日から40日以内に決定すべきと定められており、広島が、丸佳浩の人的補償に長野久義を指名したケースや、西武が炭谷銀仁朗の相手に内海哲也を求めたケースでは決定までに約1か月かかった。それに比べると異例とも言える”即決”である。 理由は横浜DeNAの編成部の調査力に加え、チームにとって二遊間の強化が補強ポイントだったことにある。特に二塁は今季、ソト、柴田竜拓、中井大介、大和らが主に守ったが固定できなかった。来季はロペスが退団したことでソトの一塁起用が増えそうで、なおのこと二塁手がもう1枚足りない状況にある。また田中は内、外野どこでも守れる器用さがあり、現場からすれば、非常にありがたい駒となる。 三浦大輔新監督は「走攻守バランスが取れた選手だと思います。地元神奈川出身ということもあり、横浜DeNAベイスターズの力になってくれることを期待しています。共に優勝を目指して戦おう」とのコメントを発表したが、今季は2軍監督としてイースタンでプレーしていた田中の実力を見極めていたのだろう。