西武117kgドラ1渡部健人は「おかわり君3世」でなく「欲張り君1世」…“巨漢本塁打王”の伝統を継承できるのか?
その巨体にあふれんばかりの夢と希望を詰め込んで、西武にドラフト1位指名された将来の主砲候補、渡部健人内野手(21、桐蔭横浜大)がプロの第一歩を踏み出した。 西武の「2020ドラフト新入団選手記者発表会」が8日に都内のホテルで行われ、10月のドラフト会議で指名された7人と、育成ドラフト会議で指名された5人の計12人のルーキーが一堂に集結。背番号が刻まれた真新しいユニフォーム姿で、辻発彦監督と初めて顔を合わせた。 これまでに鈴木健氏や平尾博嗣氏、渡辺直人氏、金子侑司と受け継がれ、今シーズンは持ち主不在となっていた「8番」を託された渡部の注目の第一声は「あっ」だった。 将来の目標を書き記した色紙を見せながら自己紹介する冒頭のコーナーで、色紙が上下逆になっている状態に気づいたからだ。 何台ものテレビカメラが回るなかで、ひな壇の中央で努めて気を取り直し、堂々とした筆跡で「本塁打王」と記された色紙を掲げた渡部は、力強いトーンの決意表明を会場内に響かせた。 「桐蔭横浜大学から来ました渡部健人です。ポジションはサードです。目標は本塁打王です。自分のアピールポイントは長打力だと思うので、たくさんホームランを打って、本塁打王を取りたいと思ったからです」 球団から配布された資料には、プロフィールや身体能力を示す各種データ、セールスポイントに続いて「目標とする選手」の項目がある。セールスポイントで「広角に飛ばせる長打力」と記した右投げ右打ちの渡部は、背中を追いかける現役選手として2人の本塁打王獲得経験者の名前を記している。 「中村剛也選手、山川穂高選手」 6度のホームランキングに輝いた37歳の中村は身長175cm体重102kg。今シーズンは故障に泣かされたものの、昨シーズンまでは2年連続で本塁打王を獲得した29歳の山川のサイズは176cm103kgである。 渡部の球団発表の数字は176cm112kgだったが、前日のメディカルチェックでは体重が117kgに増量していた。体重では2人の先輩を凌駕した自分自身を「見ての通り体型が丸いので」とやや自虐的に表現し、隣に座る辻監督を思わず苦笑させた。 「周りからはよく『おかわり君三世』と言われるんですけど、自分的には『欲張り君一世』にしたい、と思っています」