【プロ野球監督通信簿(セ・リーグ編)】 リーグ優勝の阿部監督、日本一の三浦監督、最高評価はどの監督
今年のセ・リーグは連覇を目指した阪神が優勝候補の最有力とみられていたが、あと一歩及ばず2位に。巨人が4年ぶりのV奪回を飾った。だが、短期決戦の主役は3位のDeNAだった。CSで阪神、巨人を撃破すると、日本シリーズでソフトバンクを4勝2敗で破り、26年ぶりの日本一に輝いた。2024年のセ・リーグ各球団を率いた監督の「通信簿」を、プロ野球取材歴15年の記者がつけさせていただいた。(順位は評価順。※は今年のシーズン成績) 【写真】史上最大の下剋上を果たしたのはこの監督 【1位】評価:A+ 巨人・阿部慎之助監督 (※リーグ1位、77勝59敗7分、勝率.566) 2年連続Bクラスに低迷したチームの立て直しを託されて監督に就任。名将・原辰徳前監督の後を継ぐのは大きな重圧が掛かったが、1年目で見事に結果を出した。戦力で他球団を圧倒していたわけではない。坂本勇人、門脇誠などレギュラーで計算していた選手たちの打撃不振でチーム作りの軌道修正を迫られ、本職が捕手の大城卓三を一塁に抜擢、岡本和真を左翼に回すなど臨機応変に対応した。不安定だった救援陣の強化に力を注ぎ、役割分担を明確に。現役時代の捕手目線で継投策も冴えわたった。CSファイナルステージでDeNAに敗れたが、来季はリーグ連覇、日本一を目指す。 【2位】評価:A DeNA・三浦大輔監督 (※リーグ3位、71勝69敗3分、勝率.507) レギュラーシーズン3位からCS、日本シリーズを勝ち抜いて日本一を達成。見事に下克上を果たした。今永昇太、バウアーが抜けた先発陣はコマ不足が懸念されて戦前の下馬評は高くなかった。個々の選手の能力は高いが、走塁や守備のミスが目立ち、8月下旬まで借金生活と上昇気流に乗れなかったが、シーズン終盤で三浦監督が降板を渋るウィックを怒りの表情で一喝してから雰囲気が明らかに変わった。短期決戦ではサブマリン・中川颯の救援起用、佐野をスタメンから2試合連続で外すなど大胆な采配が的中。CS進出後はスキのないチームに変貌させた。来季はペナントレースを勝ち抜き、「真の王者」を目指す。