英語を読むスピード向上に役立つ<思考の癖>とは。日本語に置き換えて意味を考える「訳読」が速度低下を招いている可能性も
◆思考の癖 このように文や節については[誰/ 何が]→[どうする]→[誰/ 何を]といった順番、名詞句については[誰/ 何]→[どんな]という順番で情報を受け取ることに頭を慣らしておけば、各パーツについては日本語に置き換えて考えていても英語を語順通りに理解することがかなり楽になります。 he came up with「彼は思いついた」ときた時点で「思いついたのは何?」と考えているのでamazing products and technologies「驚くべき製品や技術」という語句をそのままスムーズに理解できます。 また、products and technologies のところで「驚くべき製品や技術って、どういう? たとえばどんな?」と考えているのでthat changed the world「世界を変えた」やfrom Macintosh to the iPhone and the iPad「マッキントッシュからiPhone やiPad に至るまでの」というのはまさに今欲しい情報を埋めてくれるものということになるわけです。 最後まで全部目を通した上で改めて「マッキントッシュやiPhone、iPad といった世界を変えた驚くべき製品や技術」のような順序で理解し直す必要がなくなるということです。 ここまでの内容をまとめると、英語をできる限り本来の語順に近い形で理解するには次のような思考の癖をつけることが必要です。 文・節の読み方 [誰 / 何が][ どうする(他動詞)]ときたら「誰/ 何を /に?」と考える。 [誰 / 何が][ どうする(自動詞)]ときたら「どこで ?」「いつ?」「どのように?」「なぜ?」と考える。 名詞句の読み方 [誰/ 何]に当たるシンプルな名詞句が出てきたら「どんな?」「具体的には?」と考える。 もちろん、ここに挙げたのは英語の語順に頭を近づけるための方法論のごくごく初歩の一部に過ぎませんが、この2つを徹底するだけでも、かなり前進するのではないかと思います。 ※本稿は、『英語の読み方 リスニング篇-話し言葉を聴きこなす』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
北村一真