賛否両論の『ドラゴンボールDAIMA』をレビュー! “異世界転生もの”として見ると分かりやすいかも? 「DAIMA」が今の時代に刺さる理由を考える
累計発行部数約2億6000万部を超え、今もなお世界中で愛されている伝説的漫画『ドラゴンボール』の完全最新アニメシリーズ『ドラゴンボールDAIMA』。原作はもちろんストーリー、キャラクターデザインのほか、大魔界やガジェットのデザインなどに原作者・鳥山明先生が深くかかわっているということで、放送前から大変話題を呼んでいた1作です。 【画像】鳥山明先生の描きおろしキャラクターデザインと場面カット集! かく言う私も初めてハマった漫画が『ドラゴンボール』で、アニメや劇場版、ゲームなどさまざまな媒体で繰り返し、楽しんできた人間ですので、新作シリーズにはかなり期待を寄せていました。本作『ドラゴンボールDAIMA』について賛否両論が飛び交っている状況ですが、結論から言うと現時点で私は“賛”の側の感想を持っています。 鳥山先生らしさを残しつつ、現代の感覚にフィットする作りになっているという印象がありまして、今回はそんな『ドラゴンボールDAIMA』の魅力を語ってみようかなと思います。
『ドラゴンボールDAIMA』をレビュー:『無職転生』との意外な共通点とは? 「DAIMA」は転生ものかもしれない……
『ドラゴンボールDAIMA』は、大魔界の王・ゴマーの悪だくみで、悟空やベジータを含む魔人ブウとの戦いに関わった戦士が小さくなってしまうという展開から始まります。仲間を助け、体を元に戻すため、宇宙船(作中では「飛行機」と呼称)で大魔界を冒険する物語となっています。 この構想自体は、同じく悟空が小さな姿にされてしまう『ドラゴンボールGT』を彷彿とさせるところがあり、宇宙船に乗って仲間と旅をするという要素も含めて、GTの雰囲気を感じたという人も多いかもしれません。私も第一印象はそうだったのですが、現在の人気アニメと比較して考えてみると、話の構造がどことなく「転生もの」や「俺TUEEEもの」と通ずるようにも思えてくるのです。 例えば『無職転生』や『推しの子』、『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』、『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』など、流行のジャンルと言って良いであろう、これらの転生ものの特徴は単に転生するだけでなく「若返る」という要素が加わっている点です。 多くの場合、30歳過ぎの中年くらいのキャラクターが何らかのきっかけで転生して、子供や赤ちゃんの姿で生まれ変わり、文字通りのセカンドライフを送ることになります。 これはアニメ視聴者の中年層が拡大していることの表れとも言えそうですが“中年の若返り”という観点からすると、期せずして『ドラゴンボールDAIMA』も、これらのジャンルの仲間入りをしているような印象を受けます。
【関連記事】
- 覇権アニメ最有力の『ダンダダン』をレビュー! こういうのが見たかった……俺たちの本能(リピドー)をぶち上げる快作アニメが登場!【アマプラおすすめアニメレビュー】
- 今みんなが見てるアニメはこれ! 「Amazonプライム視聴ランキング」3位は『ダンダダン』2位は『MFゴースト 2nd Season』1位は…【2024年11月版】
- 予定調和をぶっ壊す『戦隊大失格』をレビュー&考察 『鬼滅の刃』や『ジョーカー』との意外な共通点とは? “バーンアウト”と“階級社会”に抗うヒントがここに…!?
- 映画『きみの色』をレビュー 山田尚子×吉田玲子の最強タッグが放つ、いい子のための処方箋! 反抗できないけど、自立したい…若者の心にギリギリまで迫る傑作が誕生!
- 空前の「大ガールズバンド時代」が到来! 『ガールズバンドクライ』や『ぼっち・ざ・ろっく!』などバンドアニメはなぜこれほど人を惹き付けるのか?