賛否両論の『ドラゴンボールDAIMA』をレビュー! “異世界転生もの”として見ると分かりやすいかも? 「DAIMA」が今の時代に刺さる理由を考える
『ドラゴンボールDAIMA』をレビュー:もはや「俺TUEEEもの」なんじゃないか? チート属性としての孫悟空
『ドラゴンボールDAIMA』は、人気が根強い「俺TUEEEもの」のコンセプトともつながるところがありそうです。『推しの子』は違いますが、上記の「異世界転生もの」は原則として「俺TUEEEもの」を兼ねていることが、ほとんどと言って良いでしょう。 現実世界での経験を引き継いでいたり、異世界の住人が知らない知識を持っていたり、突出した能力を獲得したりと……いわゆる“チート属性”を有しています。ある種のアドバンテージを持っている状態で物語が進行。最初は周りの人間や敵になめられるのですが、最終的にはその類まれな能力で相手を圧倒しぎゃふんと言わせる展開が多く見られます。 この視点で『ドラゴンボールDAIMA』を見てみると、小さくなったとはいえ魔人ブウ編の後の悟空は、すでに圧倒的な戦闘力を有している状態。その状態で大魔界という異世界に繰り出すのは、ほとんどチート属性を持って転生しているのと変わらないでしょう。 最初はその小さな見た目のせいもあって、なめられていますが、いざ戦うとあっという間に敵を倒してしまうという展開も、俺TUEEEものの王道の流れです。大魔界を異世界と考えれば、ほぼ異世界転生ですし、若返りやチート属性、分からせ展開なども含めると、偶然だとは思いますが、今流行りの転生ものや俺TUEEEもののジャンルをしっかり踏襲した内容になっているように見えます。 小さい姿でなめられているものの実は強いという描写はドラゴンボールの初期、敵をしのぐ圧倒的なチート属性を持っているなどは、魔人ブウ編でバビディやダーブラを驚かせる展開などにも見られ、もともと原作が持っている特性でもあります。そのため、これらの点は意識して現在の時流に寄せたというよりは、偶然時流に乗ってしまったという方が正しいかもしれません。 とはいえ小さくなって大魔界を冒険するというコンセプトは、明らかに異世界転生的ではあるので、ある程度現代人に刺さりやすく調整された「令和版ドラゴンボール」と言うこともできそうです。
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